第17話 純血(純潔)戦争②
【レオンダイト視点】
「良しトーマス達は敵を足止めできたようだな」
「これで敵右翼はトーマスの戦術の前に何もできないだろうな兄貴」
トーマスは数多の戦場で相手にした人間から戦術を学び取りそれらを応用できる類稀な存在だ。
それを吸血鬼に教えて革命をもたらしたのである。
「伝令、次は右翼のウルファス達を動かすのだ」「はっ」
こちらは攻め手だ中央にリリア殿が攻めてくるまでに左右共に貰い有利にさせてもらう。
【右翼視点】
「伝令、ウルファス殿、右翼軍進軍開始とのことです」「心得た、下がって良いぞ」「はっ」
さぁて、いっちょやってやりますかね。
「俺が先頭に立ち武を奮おうぞ。皆遅れずについて参れ、敵を突破して、後方の一回り大きい
「オオオオオオ」吸血鬼たちの士気が上がる。
「ルーカス様、敵の
ほぅ武を奮い突撃してくる先頭に居るあの
大将自ら先頭に立ち突撃するとは勇猛果敢とも言えるが逆に無謀とも言えるぞ。
引導を渡してくれる。
「全軍先頭の黒狼を狙え。其奴が大将だ」
「オオオオオオ」
だが向かうもの向かうものを全てを叩き潰し、ルーカスの前にその男は現れたのである。
「我名はウルファス・レアンドロ、腕に覚えのあるものはかかって参れ」
「故あって狼族の者に名は明かせぬが御相手致そう」
ルーカスがウルファスに仕掛ける。武器は二刀のシミター。ウルファスは偃月刀で二刀のシミターの攻撃を凌ぎつつ隙を窺う。
「勇猛と無謀の違いの分からぬ、小童になぞ負けん」
「くっ」
ウルファスはここまで先頭で数多の狼族を行動不能にしてきた疲れもあるのだろう。防戦一方だ。だが勝ちを拾うためにひたすらに耐え隙を窺う。そして二刀のシミターを同時に縦振りしてきたタイミングを見て、ここぞとばかりに渾身の一撃を込めて偃月刀で薙ぎ払う。
「グッ、見事。さぁ殺すが良い」
「安心しろ首まで取らん。それよりこれ以上同族の者と戦いたくは無い早々に引かれよ」
「何。逃すと言うのか。ハッハッハッお前たち、この戦はここまでだ。倒れてる仲間たちを担ぎこの戦場から離脱する」
「そんなルーカス様があんな傷だらけで負けるなんて」
傷だらけのルーカスを見て負けを悟った狼族たちは倒れてる狼族を担いで戦場から次々に離脱した。
右翼の戦い、狼族負傷者8百、死者0だった。
【リリア視点】
吸血鬼共が攻めてきたのを見た私は中央軍を率いて突撃をしようとした。
「リリア様、お怒りはごもっともですが、せめて右翼のラス様が突破するまで、お待ちください」
「ミーア、私頭に血がのぼってたみたい。冷静になるわ」
暫くして、伝来が届いた。
「リリア様、ラス様より伝令敵左翼の巧みな戦術により突破は難しいとのこと。膠着状態に突入」
「くっ吸血鬼が戦術を使いラス様の率いる近衛軍2千が5百に翻弄されるなんて」
ミーアが憎々しげに言う。
「左翼のルーカス殿が戦闘を始め次第、中央軍全軍で敵中央を突破し後方のレオンダイト・ヴラッドを討ちます」
私は切り替えるかように中央後方への一点突破を宣言する。
「リリア様、左翼にて戦闘が始まりました」
「では全軍、敵中央に向けビスケツを先頭に矢印の形で突撃。ビスケツ無理をさせるけどお願いね」
「お任せください姪姫様。必ず中央後方へ届けます」
この突撃で必ずレオンダイト・ヴラッドを討ち果たす。
好みの殿方であるがエルフに牙を剥くなら容赦はしないと心に固く誓う。
【中央視点】
「ダルタン様、敵来ます」
「イリス御苦労様。ダリィけどまずは相手の突撃を三段構えのV字型にて受け止める」
相手の突撃を3段構えで受け止め先頭を疲弊させリリア殿を含めた千人ほどを突破させるように誘導すれば良いだけだ。
吸血鬼軍第一陣250にビスケツの突撃が炸裂する。
「ビスケツ参る。吸血鬼共押し通らせてもらうぞ」
「オメェの相手はこの俺アルノルトが務める」
「アルノルト様。無茶はダメですからね」
アルノルトとミリーによりビスケツの突撃が止められる。
それを見たレックスが5百を残して第二陣250に突撃するべく2500を引き連れすり抜けていく。
「レックス参る。押し通るぞ」
「あんたの相手はアタイ。エルザが務めるよ」
「エルザ様。御身はお守りしますぞ」
エルザとツルギによりレックスの突撃が止められてしまう。
それを見たミーアが5百を残して第三陣500に突撃するべく2000を連れ駆けていく。
「ミーア・キャッツ参ります」
「ダリィけどよー悪りぃがここは通行止めだ」
「ダルタン様の敵は私の敵です。射抜かせてもらいます」
ダルタンとイリスによりミーアの突撃が止められる。
「リリア様ここは私にお任せを。早く行ってください。必ずやレオンダイトの首をお討ちください」
「ミーア、すまない。千人ついてきなさい。敵本陣に突撃です」
「オオオオオオ」
本陣への突撃に夢中になるばかりでリリアは気付かなかった。そこが窪地であり敵の罠の術中にいることに。
「レオンダイト・ヴラッド覚悟〜」
「リリア殿、残念ですがそこはもう死地です」
バルバラ率いるスピニングスパイダーと
更に後ろからはウルファス率いる5百の狼族吸血鬼が襲い掛かった。
吸血鬼による完全包囲である。
ここにレオンダイトの策なれりと思われた。
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