五月

さんがつさかな

第1話

自分自身を写さないよう布で姿を隠し私は

色彩で誤魔化した事に漸く気がつく


「其処の調子はどうだい?」


貴方の事を思い続ける私を思い出すと

此処に居ない君の声が聞ける気がしている。


君の姿が現れる気がしている。


私を待っていてくれる。

私を探してくれている。

私を見てくれている。


君を探しに歩いてみる。


なんて意味のない。


自分の姿に堪えらない私は

遠くへ

遠くで

見えない場所で

私を積み始める。


君の事だけを思いながら

想い続けながら

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