仮面を被った狼

モカ@猫

それは、全てのはじまり

目を覚ます、視界に映ったのはボロボロな廃墟ような場所。

「ここは?」

起きたばかりの頭をフル回転しなにがあったか思い出そうとしても心当たりがあるような記憶が何ひとつ出てこなかった。体を起こす。ずっとここに居てはだめだ。どこかに行かないとここがどこか分かるような場所に。白色の壁が薄汚れていて、遠くから見える部屋の中は物が散乱し、壁全面にデカい窓ガラスが貼られていた。もう一度なぜ自分がここにいるのかという問いにかたむけた。考えても考えても答えが思いつかない、いつどこでどうやって僕は、ここに来たのだろうか。そう黙々と考えていると僕は、広い部屋に辿り着いていた。その部屋には、、

「ねぇ、出口どこよ!私早く帰りたいんだけど!」

小学生ぐらいだろうかハーフツインテールと呼ばれる髪型にピンク色のパーカーを着て短パンを着た女の子

「そこのガキ。さっきからうるさいぞ。少しは静かにできないのかよ。」

口調が荒い少年。高校生ぐらいだろうか。金髪で制服的なのを着ている。多分学校の制服だろう。

「は?こんな場所に居て静かにできる方が意味分からない」

「そりゃ、冷静にはいれないけどよ。騒ぐほどかよ」

「お二人さん、喧嘩しないでください。誰もここがどこか分かりませんから。みなさんで協力して」

茶髪でロングの髪型をした女性。何処となくフワフワとしたオーラ?を感じた。ふたりの言い争いを止めようと説得している。

「たしかに、僕だってこんな知らないところ、、不安だけど、みなさんと頑張ればきっと無事に帰れると思います!」

黒髪の小学生ぐらいの男の子。ブラウスに黒の短パン。敬語を使いながら会話をしている。

「あーだーこーだ、どうでもいいじゃん。楽しければそれでOKだと思うな。」

高めのポニーテールをした高校生ぐらいの女の子。

制服を着て丈が膝ぐらいのスカートを履いている。

「でも、もしかしたら帰れないかもしれないよ?ずっとこのままかもしれないよ?」

肩ぐらいの白い髪、さっきの子と同じ制服を着ている。どこか弱気で内気な女の子。

「えー、私は一緒に入れるならそれでもいいよ」

各々会話をしているなか男性が僕に近づいてきた。

「まだ、人が居たんだね。不安だろうけど大丈夫だと思うから。」

今までの人とは明らかに歳が離れていて 

医者だと思わせられるような白衣を纏っていた。

「えと」

僕は、人がいる場所で初めて声をあげた。さっきまで各々会話をしていたみんなが一斉に僕を見た。

「おお、まだいたとは。ねえ、君ここがどこかわかる?」

高校生ぐらいの女の子が僕に問いかけてきた。

「え、と、、僕にもここがどこか分からないです。」

と僕は、答えた。

「ふーん、ま、どこかに出口はあるでしょ。あ、てかさスマホとか持ってないの?」

「高校がスマホの持ち込み禁止だから家に置いたまま」

「私も、、家」

「僕は、まだ自分のスマホ持ってないから無いよ。」

「俺もない。持ってはいるが、今はない」

「じゃあ、そこの大人さんたちは?」

「それが、目が覚めた時に見たら圏外になっていて」

「圏外??」

「使えな」

「お、おまっ!」

「こら、喧嘩しない。」

金髪の少年と小学生ぐらいの女の子がまた口論を始めた。

みんなで二人の口論を止めようとしたとき、どこからか人の声が聞こえた。

「あーー、騒がしい騒がしい。騒がしいってことはみなさん目が覚めているということだから別にこちらとしては、なんとも思わないけどね。」

陽気な声が僕らの周りで響いていた。

「誰だ。どこにいる」

「どこと聞かれても、君たちにはスピーカーを通して話しているから、どこにもいないかな。」

「建物の中にはいないととしてもどこかには居ますよね。」

「言っても君たちには分からない。」

「分からないとしてもいつかは分かる。」

「とか言っても教えないものは教えない。あ、私の名を知りたいんだったね。」

「何者かが知りたいだけでお前のことは何も」

「私の名はメドゥサン、。気軽にメドゥサと呼びたまえ。」

「話を聞け!」

「静かに、メドゥサさん、なぜ私達をこんな場所に」

白衣を纏った男性がそう言うとみんなは静まりメドゥサンと名乗る人物の答えを待っていた。

そして

「単刀直入に言う。君たちの中に狼がいる。」

は?なにを言ってるんだ。狼?

「狼ってなんのことですか?ここには人しか」

「ただの比喩表現だよ。分かりやすく言えばそうだね、、【殺人鬼】と言えばいいだろうか。」

さつじんき?そんなのここに居るわけないだろ。

きっと僕らを驚かすための嘘に決まっている。

「さ、、殺人鬼?、、、、まさかさ、、いわゆるデスゲームってやつ?」

「お嬢ちゃん、感がいいね。でもちょっとちがうかな。

≪人狼≫って分かるかな。」

人狼、それは、市民と名乗る人々の中に人を食う狼が紛れていて何日もかけ狼がすべての市民が食べられる前に狼が誰かを当てるゲームだ。

「だから、狼?」

「そう、この中に一人狼が居る。よくある人狼と同じで誰が狼か当てれれば人の勝ち、狼が人を一人残らず殺せれば狼の勝ち。だがよくある人狼だと狼だと疑われた者はどっちの立場関係なく追放される。ここでは、本当に人狼だった者しか追放されない。その代わりに人狼じゃない者が疑われた場合全員に強い電気を送る。」

「電気かあ。電気って人によっては効かないって聞くけど」

「誰にでも効くほどの電気さ。」

「でもでも!電気って言ってもテレビで見るような物でしょ?それか私達を脅すために言ってるだけとか」

「気づいていないのかい?君たちに付いてるその指輪」

ハッとし自分の手を見る。

右手の中指に見の覚えのない指輪がハマっていた。

「なにこれ。」

「その指輪から電気が流れるようになっている。ちなみにボタン式だから僕が今ボタンを押したら今でも電気を流せるよ。」

「、、、、」

みんなが黙り込む。

どれほどの電気なのか分からない恐怖と狼と呼ばれる殺人鬼がこの中にいるという恐怖が僕らを襲った。

「説明は以上。では、さらば」

とツーツーという音だけを鳴らしブツと切れる。

残された僕たちはお互いの顔を疑いながら

話を進める。

「えーと、さっきの人が言ってたことを整理すると

この中に殺人鬼、、人狼が居て、私達が誰が人狼なのか当てないといけないということでしょうか」

「多分な」

年長ふたりが分かりやすく整理をし

「と、とりあえず人狼とか一旦忘れて自己紹介しませんか?」

「なんて呼べばいいのかわからないしね♪」

高校生ふたりが自己紹介をしようと提案する。

「そうですね!皆さんのこと知りたいです!」

「知りたいことはないけど、、まぁ」

子供ふたりが賛同する。

「そうだね。、、でも誰からする?」

僕が問を立てると

「はい、俺からするよ。」

金髪の少年が名乗り出る。


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