(二)-12

 単刀直入な挨拶代わりのサナさんの質問に、俺はなんと返したらいいか一瞬判断がつかなかった。「どうなの」と言われても、デートだって一回しかしていない。

 でも、自分の気持ちに素直になれば、それは「好き」ということだった。だからサナさんには、短く「好きです」とだけ答えた。というか、それ以上は言葉にできなかった。

 しばらくは沈黙が続いた。少し考え込んだ後、

サナさんは話を続けた。

「本気なの? それとも遊び?」

 語調がきつく感じられた。俺が本気ではないような言い方をされて、少しムッとした

「俺は他の女の子と遊んだりなんてしてません」

「学校には他にもかわいい子とかいるんじゃないの? それに君、モテそうだし」


(続く)

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