幕間2 巫女と不死鳥

幕間2


アリスside


「────グラシャラボラス、貴方も逝ってしまいましたか。」


これで確定しましたね………


確定してほしくはなかったのですが………


「アーク様の裏に誰か居ますね………」


純真なアーク様に取り入り、悪事を企んでもいるのだろうか?


まぁ、どんな理由だろうと、そんな輩の存在自体を許しはしませんが。


しかし………


「一体、誰なのでしょうか?」


まぁ、私や天使族達に対抗できる存在は居るには居ます。


ですが、はそうは居ません。


「あの男なら有り得ますね………」


未だにのうのうと生き続けている魔族最後の生き残り。


彼なら嫌がらせでアーク様を誑かす可能性もあるでしょう。


唯………


「いや、それだけは有り得ませんね………」


あの怪物は完全に死んだ、私達が殺した。


全ての心血を注ぎ、完膚なきまでに滅ぼしたのだ。


────


もし、蘇ったとしたのなら………


「創造主と同じ存在に成り果てたという事になりますね………」


それだけは嫌ですね………


おそらく、死んだ魔王もそうなのでしょうけど………


「………しかし、どうしましょうか?」


次は誰を送りましょうか?


グラシャラボラスの事です。


何かしら、アーク様の為になる物を授けているでしょう。


あの子、というかは殺傷力が高い能力を持つのに、甘ちゃんな人達なのが問題ですからね………


関わる分としては微笑ましいのですが、度し難い物ですね………


「じゃあ、僕が行こうか?」

「貴方は────」


声がした方へと振り向くと、可愛らしい小鳥が居ました。


成る程、仕方がありませんね………


「さっさと失せなさい。」

「ピギュ────」


こういうのは、魔法(もしくは物理)で直ぐに殺して掃除するのが一番です。


皆様も覚えておきましょうね?


────いや、私は誰に言っているのでしょうか?


「私も疲れているのでしょうか………」

「だと思うよ。僕と違って、皺とか増える身体だもんね。」

「………はぁ、貴方はそうでしたね。普通の殺り方じゃ、死なない方でした。」

「うん♪まぁ、この子は使い魔みたいな物だから、数十回殺せば死ぬだろうけど。」


少なくとも、その分は疲労するじゃないですか。


面倒な上に不真面目だから、ハーゲンティ以外には嫌われてるのですよ、


「別に良いよ、僕はアーク様以外に嫌われてても。アリス様もそうでしょう?」


それはそうですけど………


「ねぇ、それよりも、僕に行かせてよ、アーク様の所。」

「駄目です。」

「何で!?」


何でって、貴方………


「何をするか予測不可能だからです。」

「えぇ、信頼してないなぁ………」

「はぁ、貴方の強さ自体は信用も信頼もしてます。ですが、個人としては全くしてませんからね。」

「酷いなぁ、もう………僕ワンワン泣いちゃうじゃん!」


嘘つきなさい………


微塵もそんな事を思ってない癖に………


「────じゃあ、理解わかった。」

「あら、珍しい。聞き分けが良いですね。」

「直談判しに行くから、じゃあね!」

「何です!?ちょっと、待ちなさい!こら、フェネクス!!」


叫んで呼び止めだ物の、フェネクスがよこした小鳥は飛んで行ってしまう。


はぁ、かなり面倒な事になりましたね………


「さて、どうした物か………」


はぁ、私の悩みは尽きませんね………


続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る