第27話 調子が狂うが殺ってやる
第27話
「がはっ、な、何をしたちゃん!?」
『どうだ、私の炎の味は？』
魔王が【
そして、気が付いた瞬間にグラシャラボラスの身体が貫かれていた。
散々俺の身体を削ってきた罰だ、ざまぁ見ろ。
『これが憤怒の力による飛び道具じゃ。上手く使えよ、アーク。』
成る程、だから身体を代わったのね。
『アーク、この感覚………ちゃんと覚えられたか？』
勿論、何か魔法を打ち出す感覚でやれば良いんだろ？
俺、魔法使えないけど。
『………少し不安だが、まぁ良いとしよう。ほら、身体返すぞ。』
「────よし、戻った。サンキューな。」
さぁ、反撃開始と行こうかな？
「ごほっ、ぐふっ、や、やっと、も、戻ったちゃん！だ、大丈夫ちゃんでしたか、アーク様？先程ちゃん取り憑いてた奴ちゃんに、変な事されてませんちゃん？」
「────やり辛いから、心配するの止めてくれマジで。」
「はい、すみませんちゃん！」
────って、違う！
さっさと決着を着けるんだろ、絆されて目的を見失うな俺！
【
「ぎゃふん!?い、痛い………でも、本当に無事ちゃんで良かったよぉ、アーク様!!」
「ああ、もうやり辛いからマジで心配するの止めろや!!」
というか、コントロール難しいなコレ!?
ほぼ、周りを掠っただけじゃねぇか!!
『下手くそめ………』
う、煩いやい！
くっ、集中しなきゃ、マトモに当てられねぇぞ、この技………
「はぁはぁ、し、集中ちゃんしなきゃ、このままじゃ、アーク様を連れてくちゃんが失敗ちゃん。」
「はぁはぁ、何で………俺と同じ状態なんだよ、お前も………」
「はぁはぁ、そうなのちゃん!?そ、それはちょっと嬉しいちゃん………」
「もう止めろ!!マジで止めろ!!!」
時間が無いってのに、これ以上鈍らせるのマジで止めーや!!!
「はぁはぁ、もうこうなったら、ヤケクソだ!!」
「アーク様、それに乗りますちゃん♪」
【
【
「くそっ、さっさと死にやがれ!!」
「私ちゃんは死にまちぇん!!」
「何その言い方!?めっちゃムカつくんだけど!!??」
「すみませんちゃん、アーク様………」
「謝る位ならやるなや!!」
ちくしょう、拳使って防ぐよりは楽になったけど、防戦一方になのは変わりないじゃねぇか!!
ていうか、何か相手楽しみ始めちゃってるしさぁ!!
本当に巫山戯るなよ………ん？
「────少しやってみるか。」
「何をやるちゃんです、アーク様？」
「敵に答える訳ないだろ!!喰らえ」
「えっ、何処ちゃんに向かって、きゃっ!?」
放った炎を一つだけ地面に放つ。
当然、砂埃が起きる。
要するに、簡易的な煙幕だ。
────これなら奴に近付ける!!
さぁ、喰らえ、グラシャラボラス!!
【
「────そう来るちゃんと思いましたよ、アーク様。」
「なっ!?」
コイツ、ばっちり俺の方を向いてやがる。
不味い、このままじゃ────
【
「くそっ、相殺された………」
「はは、残念ちゃん。じゃあ、このままチェックメイトちゃん！」
「────はっ、それは俺も同じだ、グラシャラボラス!!」
「えっ？」
この距離なら避けられないし、防げないよな？
【
「──────────────────」
「どうだ、俺の炎の味は？」
────答えは返って来なかった。
当然か、奴は俺の炎で顔の上半分をぶっ飛ばされたのだから………
これで普通に喋られたら、ビックリするわ。
まぁ、何はともあれ………
「はぁはぁ、決着だ。」
『お疲れ様じゃな、アーク。』
ああ、全くだ………
本当に疲れる相手だったよ………
続く
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