2023年3月30日

 取り寄せしていた本を受け取りに本屋へ行って、「今日は1冊だけ」とかたく心に誓っていたはずなのに、なぜかレジに着くころには3冊握りしめていました。

 本ってなぜか手の中で増えませんか。増えますよね。増えるんですよ。だって本屋です。あれだけの量の本がある、本に囲まれた場所ですからね。繁殖もしているんでしょう。手に取った本がレジにたどり着くまでに子を産むこともありますわ。

 ちなみに、3冊買って全て読みきれることは稀です。ちゃんと1冊読みきったら偉い。2冊読んだらもしかして自分優秀なのではと震える(そしてまた本屋へ行く)、そういう世界観で生きています。

 1冊を吟味して買い、きちんと読み、読み終わってから次の本を買いに行く、余分な本は買わないから無駄に本棚が溢れない、という人も世の中には存在して、きっと欲求をきちんとコントロールすることができる人なんだろうなあと思います。表紙を見て「えーなんかよく分かんないけど表紙とタイトルが気になるから買っちゃお!」なんてことはしないんですよ、たぶん。なんという強靭な自制心。きっとそういう自律できる人は、ぱっと見は可愛くしかしそこはかとなく毒気も感じる絵柄で目鼻のあるきのこたちがいっぱいに描かれた表紙が目の高さに面陳されていても、「いや今日は目的の本があるから」「荷物も多いし」「次に読む候補にしておこう」と、適切な状況判断のもと、その日は買わないで次回にまわす、という行動を取るのでしょう。あまりに心を惹かれて衝動買いに走るにしても、最初の1ページを試し読みして好みの文章かどうかを見極めるぐらいはする筈です。ちなみに私の場合は、「なにこれかわいい!」と思った瞬間にはもう手の中にありました。だってかわいかったんです……。

 そういうわけで予定の3倍の本を抱えて帰ることになったのですが、全部読みますよ。いうて3冊ですからね。ええ。心意気だけはあるんです。毎回。


それでは、また。

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