9/27 朝の通り雨

吹きすさぶ風に幼子抱き上げて歩き出す顔に霧吹きかかる

小雨かと空見上ぐれば頭上のみに小さき灰色雲の迫り

薄青うすあおの空透かす薄い白雲を掻き分けきた灰色はいいろ小雲こぐも

あと三分歩けば園に辿りつくと幼子抱いて足もくせく

三分も待たれぬ雨は堰切るとばかりに大粒水玉ドロップ投げ来ぬ

角の先に園の見えれどすぐ脇の軒の下借り雲を見上ぐる

通り雨の小雨になりて幼子を抱え直して園へと急ぐ

母の首に両手回して楽し気な幼子と園の門をくぐりたり

雨の中急いできたる面々の園舎の軒下で会釈し合へり

幼子に手を振り門から外へ出ると灰色小雲の彼方に行きたり


―――

 今朝、娘を保育園に送ったときのことです。

 家を出たときは、過ごしやすそうな曇りだったんです。天気予報でも曇りのち雨で、すっかり油断して傘も持たなかったんですよね。

 歩き始めてすぐ、強い風が吹いて、娘が抱っこをせがんできました。娘、風が強いときは、吹き飛ばされないように抱っこされたがるんです。それから霧吹きをシュッとしたときくらいの湿り気が顔にかかって「あれ、雨かな」と思って空を見上げたら、空全体は白い淡い雲がかかっていたんですが、自分たちの頭上にだけ、小島みたいに灰色の雲がぽっかり浮かんでいるのが見えました。すぐに雨が降るって分かるような色の雲でした。しかも、それがじわじわと自分達の方に移動して来る。

「一回家に傘を取りに帰るか、いやそんな時間はないし降っても小雨だろうからそのまま行っちゃうか」なんて考えている一瞬の間に、小雨が降り始めて、あっという間に大粒の雨になっちゃいました。

 保育園まであと三分くらいだったんですが、三分もこんな大粒の雨に降られてたらびしょぬれになるよねってくらい大粒の雨でした。仕方ないから諦めて、道沿いのお店の軒の下にお邪魔して、娘を降ろして、少し恨めしい気持ちで灰色雲を見上げました。

 結局、二~三分くらいして小雨になった頃、急いで娘を抱きかかえて保育園に。娘、すくすくと育ってまして、三歳半の今体重15キロくらいあります。四歳女児の平均が15キロなので、平均より少し大きめかなってところでしょうか。

 自分から抱き着いてくれるので、その状態で早歩きで歩くのもそんなに苦ではないんですが、朝からちょっとした負荷運動ができます。

 やっと保育園について娘を降ろしていたら、雨の中、バタバタと他の家族の方も駆け込んできました。

 ひとまず、娘を保育園へ事に送れてホッとしつつ、この後どうするか……といろいろ考えながら外にでたら、雨、あがってました。

 人騒がせな灰色小雲め。

 そんなわけで、特に秋は天気が変わりやすいですし、折り畳み傘を携帯しよう、と思いました。

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