第16話「仄暗い水面の底から」
とある暗い晩。
「ハッ……ハッ……フッ……!」
古角町の一角にある「
「ハッ……ハッ……ハッ……あっ!」
そんな人気の夜見児公園だが、ある一ヵ所だけは不人気で、忌避されている場所がある。それがこの「夜見児沼」と呼ばれる、不気味な沼地だ。水深がかなり深い為に昼でも底が見えず、堆積したヘドロのせいで水が濁っていて、お世辞にも奇麗とは言えない。その上、マナーの悪い来訪者がペットの糞尿を捨てている為、非常に臭いがキツく、“天然の肥溜め”呼ばわりされていたりする。
それ程までに穢れた泥沼であるが、元々はとても澄んだ湖であり、鷹狩に使われた歴史もあるので、公園になった今もバリバリに散歩コースと隣接している。というか、この沼を中心に広場を形成したと言っても過言ではない為、埋め立てでもしない限り状況が改善する事は無いだろう。
「……本当なのかねぇ、
しかし、最近は別の意味で有名になっている。とある
「………………」
むろん、青年は微塵も信じていないが、怖いもの見たさも有り、休憩も兼ねて沼を覗き込む事にした。腐った溝の臭いが鼻を突き、月を朧に映す水面が目を汚す。
「……って、何かある訳も無いか」
もちろん、何も起こらない。所詮、噂は噂だ。
それでも少しくらいは期待したので、途端に馬鹿馬鹿しくなった青年は直ぐ様ジョギングを再開しようとしたのだが、
――――――ゴポゴポゴポ。
「えっ……!?」
突然、水面が泡を立て始めた。不審に思った青年が覗き直す。
だが、彼が見下ろした瞬間に泡は収まってしまい、元の泥沼に戻ってしまう。
「………………!」
否、違った。仄暗い水の底から、ぼうっと白いナニカが浮上して来る。それは死蝋化した女の顔で、不気味な薄ら笑いを浮かべていた。
――――――ザパァアアアアアアッ!
大きな水飛沫が上がって、無数の白い手が伸びてくる。
「あっ……」
そして、誰も居なくなった。
◆◆◆◆◆◆
閻魔県要衣市古角町、峠高校の食堂。今は授業中であり、人影は全くない。
「兄が行方不明になりました」
「ふーん」「そっかー」
この三人以外は。一人は依頼人の
内容は何時もの如く、突然居なくなった身内を探して欲しい、という物。行方不明になっているのは、了の兄:
「……「夜見児公園」か」
「確か、お化けが出る沼があるんだっけ?」
しかし、噂が立っているのも事実。丁度良かったので、受ける事にした。
「それじゃあ、報酬を忘れないように……」
「ま、あまり期待はするなよ。死んでる可能性が高いからな」
「はい、分かりました……」
先ずは里桜と説子が消え、了も元居た場所に戻される。こうして食堂は再び無人となった。
◆◆◆◆◆◆
屋上のリオ研究所。
「さーて、今宵も一狩り行きますかねー」
「モ○ハンみたいに言うなよ」
『あむあむ』『草だけど美味し~♪』
「ごちになりまーす」「……頂きます」
夜まで時間があるので、里桜たちは食事を摂っていた。今回は珍しく何時もの面子だけではなく、様々な裏方を任せている鳴女と富雄も居る。噂の調査報告のついでにご相伴に与る形になったのだ。
ちなみに、今日の昼食は満漢全席である。山海の珍味を集めた料理の数々を、ただのお昼ご飯として食べるなど贅沢な……。
「もぐもぐ……そう言えば、今回の相手は何だと思う?」
鮑の酒蒸しを頬張りながら、里桜が尋ねる。
「沼地で白い手が無数に出て来るとなると……がつがつ……妥当なのは「
熊の掌をがっつきつつ、説子が答えた。
手長婆とは、その名の通り、手が異様に長い婆だ。
常に深い沼の底へ身を潜め、近くで遊ぶ阿呆な悪ガキを脅かし、真っ直ぐ家に帰らせるという、厳しくも優しい、ただの良い婆ちゃんである。
まぁ、現存する彼女は間違いなく生物なので、真心とかは関係ないのだろうが。
「でも、噂を信じるなら……ズルズル……追い返すんじゃなくて……もぐもぐ……引きずり込むんでしょう? ごくごく、プハァッ! あぐあぐ……だったら、別の妖怪なんじゃないですかー?」
だが、銀耳入りの春雨や
「それに……ムチムチ……沼地の噂には別パターンも存在していて、“巨大な黒い影に襲われた”“人を一撃で殴り殺す化け物が出る”なんて話も……ズズズ、ふぅ……あるらしいですよ?」
さらに、鵪鶉の焼き鳥に猴頭を混ぜた焼酎というおっさんみたいな組み合わせで料理を楽しむ富雄が、彼女に続く形で否定した。
「あぐもぐ、ごくん……フム、なるほど」
斑鳩の唐揚げを食い尽くした里桜は、鳴女と富雄の意見も噛み締め、考える。
「おそらくだが、全く別種の妖怪が同じ縄張りで共存していると見るべきだな」
あくまで妖怪も生物なので、基本的に自分以外は敵か獲物だ。共存共栄など夢のまた夢である。生物同士が同じ場所を共有するには、棲み分けや共生など明確な理由があるのだ。
ここで問題となるのは、
「どうするつもりだ?」
「そりゃあ、こっちも戦力を増強していくべきだろう。
「おっ、初陣か。それも悪くない」
「だろう? 広範囲を探すからには、頭数も要るしな」
そういう事に為った。
◆◆◆◆◆◆
そして、その夜……「夜見児公園」。
所々に立っている街灯以外、明かりらしい物は一切無く、黒々としている。風邪に乗った青臭さが、春も後半に差し掛かった事を示唆していた。
「人っ子一人居ねぇな」
「そりゃそうだろ。あんな噂が流れりゃな」
「それに公園の裏手は山だから、獣が下りてくるかもしれないですしねー」
「その可能性は大いにあります。そこまで大きくはありませんが、移動性が強い種や小型の動物なら問題なく棲めるでしょう」
そんな深夜の「夜見児公園」に、里桜たちは来ていた。流石に他の人影は無く、シンとしている。
「さて、折角頭数を揃えたんだから、手分けして探すぞ」
「どうチーム分けするんだ?」
「もちろん、私と説子……と言いたい所だが、こっちが過剰戦力になるから、富雄を預からせて貰おうか。お前は鳴女と組め。何かあり次第、バーチャフォンで連絡しろ」
「「「了解」」」
という事で、里桜と富雄、説子と鳴女という、急拵えのチームで捜索に当たった。とは言え、里桜は何時も説子をデコイにしているので、連携など有って無いような物だが……。
「……つかぬ事をお聞きしますが、説子さんとはどんな関係なんですか?」
二手に分かれ、それぞれが二人きりになった所で、富雄が里桜に尋ねる。特に理由は無く、単純な好奇心からだ。
「うーん……玩具とその持ち主かな?」
「実に分かり易い答え、本当にありがとうございました」
マッドサイエンティストは何処まで行ってもマッドサイエンティストだった。
「逆に、お前と鳴女はどうなんだよ」
これにて会話終了かと思われたが、意外や意外、里桜も興味を示した。彼女にしては珍しいが、自分が手掛けた実験台ともなると気に掛けるのだろう。
「いえ、期待するような物じゃありませんよ。家出娘だった彼女を匿って、それからはなぁなぁで過ごしてきただけです」
「何だ、そのエロ漫画に出て来そうなシチュエーション」
「一応言っておきまずが、手は出してませんよ?」
「えー、勿体無い。YOU、ヤッちゃいなYO☆!」
「何故に!? ……良いんですよ、彼女が望まない限りは」
「ヘタレめ」
「よく言われます」
楽しい会話だった。
「……おっと、そろそろですよ」
そうこうしている内に、最も噂の立っている「夜見児沼」に到着した。相変わらず臭くて汚い。
しかし、こういう淀みの溜まる所程、妖怪が棲み付く物なのだろう。
「居ると思うかね?」
「おそらくは。ここは昔湿地帯で、今は埋め立てられていますが、年月が経っているからか、所々に底なし沼が顔を出しています」
「“
「はい。この「夜見児沼」も一見すると水深の浅い水溜まりに思えますが、過去の調査で五メートルはある事が分かっています。ここらは夏と冬の寒暖差が激しいし、流砂が出来てもおかしくはないでしょう」
「ほほぅ……」
半分お試しで聞いてみた里桜だったが、富雄が優秀な頭脳の持ち主である事を改めて実感し、感心した。“後で改造しちゃおっかな”と思う程度には。
「さーて、何時もなら好奇心で猫を殺してやる所だが……今回は自重してやろう」
「中々に可哀想だな、説子さん……」
「あいつはMだから良いの」
新たな“お楽しみ”を発見した里桜は、機嫌良さ気に沼を覗き込んだ。噂を信じるなら、好奇心に負けて身を乗り出す、自らを省みない馬鹿が引っ掛かるのだろうから、実際に覗いてみるしかない。
『フフフフ……』
「おっ、美女だ」
……で、ぼぅっと水底から現れたのは、そこそこ顔の整ったうら若い美女の顔。少なくとも“婆”には見えなかった。
――――――バシャアアアアアッ!
さらに、間髪入れず、無数の白い手が飛び出してきた。最初の顔で釘付けして、驚いている間に引きずり込むのだろう。
「ビーム」
『ぎゃあああっ!?』
「あっさり撃退した」
だが、無意味だ。本当の悪魔の前では、赤子の手を捻るように迎撃出来る。
『グギャァアアアアアッ!』
すると、沼の底から顔と手の持ち主が正体を曝け出した。
「ゲンゴロウ……いや、ガムシみたいな姿をしているな」
「でも、蠍みたいにも見えますね」
それは巨大な水棲甲虫だった。
ガムシをベースに、ナミゲンゴロウのような配色と、蟹を思わせる鋏や脚を持つ、奇妙な形の蟲。鰓は無いようで、蠍によく似た尻尾の先端にある、上半身だけの美女の部分が呼吸器と為っているようである。
何と言うか、水棲昆虫や甲殻類のごった煮みたいな生き物だった。系統としては、泥田坊に近いのだろう。あちらよりも泳ぐのは下手そうだが、止水域に暮らしている以上、そこまで遊泳能力を高める必要が無いのかもしれない。
◆『分類及び種族名称:拡声超獣=手長婆』
◆『弱点:呼吸器』
「……これを“婆”と言って良いのか?」
「でも、「
「じゃあ、もう「手長婆」で良いや。幸い、あの呼吸器の部分は乾き易いみたいだし、声自体は濁声だしな」
ちなみに、“子供を追い返す”タイプの手長婆の出身地は千葉県だったりする。同名の妖怪が青森県にも居るが、そちらは陸棲なので違う。
『クワァカァアアアッ!』
「おっと!」
しかし、そんな事を気にしている場合では無いらしい。手長婆が問答無用で襲い掛かって来た。鈍重そうな見た目に反して、シャカシャカと素早い動きで接近し、鋏で攻撃してくる。切れ味はそこまで無いが、代わりに馬力が阿呆みたいに高いようで、岩処か鉄塔すら握り潰してしまう。
『ペェッ!』
「汚ねぇ!」
しかも、泥田坊と同じく泥水を弾として発射する事も可能らしく、こちらはアルカリ性の泥塊をドンドン吐き出してくる。着弾と同時に砂礫が炸裂する為、見た目以上に危険な技だ。
「フンッ!』
『コァッ!?』
ただし、結局は隙の多い大技ばかりなので、高速移動で翻弄してくる泥田坊よりもやり易くはある。このまま行けば、特に問題無く狩れそうだが……?
『グゥゥゥ……バヴォオオオオオッ!』
すると、手長婆が尻尾を天高く伸ばし、野太い声で叫び出した。
そして――――――、
◆◆◆◆◆◆
一方、裏山の方に足を踏み入れた説子と鳴女という、若干頭が悪そうなコンビはと言うと、
「いやー、夜目が利くって良いですねー」
「そりゃあ、ナイトスコープの機能もあるからな、その眼」
夜の暗黒世界も何のその、殆ど真昼のようにズカズカと歩いていた。説子は元より猫目だし、鳴女も眼を改造されているので、闇夜など関係ないのだ。
「さーて、ここには何が居ると思うかね?」
「森のくまさん?」
「安直だな、おい。……だが、悪くない。“殴る”というからには、前脚が使えないといけないからな」
さらに、こちらもこちらで“お試し”をしていた。お互いの事を知る為にも、必要な事である。
「でも、熊の妖怪なんて居ましたっけ?」
「「鬼熊」って奴が居る。年老いた熊が成るという、凶暴な妖怪さ」
「鬼熊」とは、年老いた熊が突然変異を起こした妖怪で、牛や馬を小脇に抱えて攫ったり小山のような巨石を持ち上げる程の怪力を持ち、狡猾かつ残忍な性格をしているという。年の功という事かもしれない。
「へぇ、富雄ばりに詳しんですね」
「……そう言えば、お前らってどんな関係なんだ?」
「家出娘とその保護者です」
「何だ、その同人誌でよく見るパターン」
「そういう説子さんと里桜さんはどのような関係で?」
「幼馴染……か?」
「何故に疑問形?」
それはそれとして、楽しい会話にも花を咲かせる二人。やはり相互理解には日常会話が大切なのだろう。尚、成り立っているかどうかは別問題とする。
と、その時。
――――――ガサガサッ!
草葉の陰で何かが動く。風ではない。何か生き物が蠢く音だ。
「「………………!」」
説子も鳴女も、即座に戦闘態勢に入る。説子は妖魔と化し、鳴女は眼が輝いた。果たして出て来たのは、
『グォオオオオオオッ!』
「「花咲く森の道~♪」」
予想通り、森のくまさんだった。
『グルルル……』
「「デカ~い、説明不要!」」
それは伝承通りの、鬼のような熊だった。
体長約十メートル、体高だけでも三メートルと、通常の羆を優に超える巨体を誇り、二本足で立ち上がった姿は正しく山のようで、圧倒的な存在感を持っている。
だが、最大の特徴は、鬼の面を被ったような、その強面であろう。鉱石とも結晶とも付かない、鈍い光沢を持つ物質で構成されており、それが顔全体を分厚く覆っている為、鬼のように見える。
鬼面を被った巨大な熊……まさに「鬼熊」である。
◆『分類及び種族名称:巨体超獣=鬼熊』
◆『弱点:顔と腕』
『グルォオオオッ!』
早速、鬼熊が剛腕で殴り掛かってきた。鬼の金棒を思わせる腕は実に太ましく、掠るだけでKOされそうである。実際、拳が通り過ぎた場所は地面が抉れ、突風が巻き起こっている。あんな物、直撃したら人体など木っ端微塵処か、血煙となって消えるだろう。
『フンッ!』
しかし、説子は怯まない。全く恐れず立ち向かう。
『グルルルル……!』
『なっ!?』
ただ、流石に只の毛皮に刃が立たないとは思わなかった。感触からして、毛皮の下に鋼鉄よりも硬い甲殻を纏っているようだが、それでも毛に焦げ目すら付かないのはヤバい。とてもじゃないが、人類に敵う相手ではなかろう。まさに化け物、怪物である。
『目からビーム! 三・連・打ッ!』
『グヴォッ!?』
だが、今の説子は一人ではない。今回は手伝ってくれる仲間が居る。こんなに嬉しい事は無いだろう。今までの説子の戦いって……。
『――――――ゥヴァヴォオオオオオオッ!』
突然、鬼熊が凄まじい咆哮を上げ、両腕をクロスするように自らの口元に当ててから、抜刀するかの如く拡げた。
『『なっ!?』』
すると、鬼熊の両腕が金棒状に変異した。吐息に混じる何かが腕に付着、瞬時に結晶化したのだろう。鬼に金棒とは、まさにこの事だ。熊だけど。
『バルヴァッ!』
『『わーい!』』
説子と鳴女がギリギリで回避し、鬼熊の金棒が空を切り、背後の樹木を粉砕する。
さらに、衝撃波だけで、その先の木々も纏めて薙ぎ払ってしまった。どんなパワーをしているんだ。怖い。
『バヴォオオオオオオオッ!』
『『熱~い!』』
その上、口から強烈な熱風を吐き出してきた。二人共熱耐性があるので、温度はそこまで脅威ではないが、単純に風圧が物凄く、踏ん張るので精一杯である。その隙に接近して来るのだろう。中々に小賢しい。
しかし、タネが分かれば、対処の仕様もある。ようするに近付き易くなった重戦車タイプ、という事だ。それに高熱を発しているという事は、全身の装甲が軟化しているという事でもあるので、この形態時に攻撃を仕掛けるのが最適解である。
と、その時。
――――――バヴォオオオオオッ!
いよいよ以て最終決戦、と思いきや、突如何処からか鬼熊によく似た声が響いてきた。
『グルルル……』
すると、鬼熊が急に戦いを中断し、声のした方に行ってしまう。
『『な、何だぁ?』』
まるで意味が分からないが、放って置く訳にも行くまい。二人は鬼熊の後を追った。
そして、追い付いた説子と鳴女の見た物は、
『クカァアアッ!』『バヴォオオオッ!』
『『あれま~』』
手長婆と暴れ回る鬼熊の姿だった。
『なるほど、鳴き真似をして別の妖怪を誘き寄せる能力があるのか』
「テメェ、余計な物を連れてくるんじゃねぇ!」
『いや、ボクのせいじゃないだろ』
「黙れ死ね!」
『危ねぇっ!?』
その上、説子は里桜に八つ当たりされた。酷い話だ。
「お、お二人さん、争ってる場合じゃないですよ!」
『そーそー、先ずはこいつら片しちゃいましょうよ』
「チッ……!」
『チッ、じゃねぇよ!』
ともかく、ここからは共同戦線、乱戦必死である。油断せずに行こう。
『ピキャアアッ!』
と、手長婆が口からアルカリ泥爆弾を吐いてきた。
「フン!」『あとぅーい!』
里桜は説子を盾にして防ぎ、「微小化酸素粒子光線」で反撃する。
『これは酷い! けどやる! ビーム!』
『キギェェエエエッ!?』
さらに、甲殻を失い防御力が急激にダウンした所に鳴女のビームが炸裂、手長婆はミンチになった。
『バヴォオオオッ!』
『……ぅだらぁっ!』「ホームラン!?」
そこへ鬼熊が横槍ならぬ横金棒を振るって来たのだが、さっきのお返しと言わんばかりに、説子が里桜をヘッドシザーズ・ホイップで投げ飛ばして、自分の代わりにホームランさせた。
『こっちも結局酷かった! だからビーム!』
『グヴォッ!?』
そして、打ち終わりで隙が出来た鬼熊の両目を鳴女のビームが穿ち、
『スゥゥ……ゴバァアアアアアアアッ!』
『アボバブゲボァアアアアアアアアッ!?』
説子の口移し熱線が決まり、鬼熊は風船のように破裂して死んだ。流石に中身までガチガチ装甲ではなかったようだ。
「「……ウム、よくやったぞ、鳴女!」」
「「あんたら、もう少し仲良くしろよ」」
こうして、主に鳴女のサポートが功を奏して、手長婆と鬼熊という厳つい妖怪コンビを撃破した、里桜一行であった。めでたしめでたし?
◆◆◆◆◆◆
「……それにしても、流石に妖怪が居過ぎじゃない?」
「
「誰かって、誰よ?」
「知るか」
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