高二病

 スペースをしてみて、久しぶりに昔の事を思い返していた。共産主義に憧れた高校生の頃の事だ。

 人々が幸せになるにはどうすれば良いのか、なんて下らない事を当時は考えていた。行き着いた先が共産主義だった。

 下らない。本当に下らない理由で経済学を志した。ある本に書かれた内容が意味不明で、それを理解したかった。然しそれは、失望に変わった。大学に入ったあとの事だった。

 書かれている言葉の定義が違っていたのだ。テレビでよく見る有名人。サンモニとかに出ていた人の著作は、賢そうに読めるだけの駄作であった。それでもあの頃は、社会というものが何か知ることにのめり込んでいたとは思う。

 始まりは取るに足らない疑問だった。終わりは自分の頭の悪さに絶望した。この先幾ら学ぼうとも、望む地平にたどり着けない事を悟った。事を思い出した。

 

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