考察
サカモトデイズの話題をみると語りたくなる。昔は考察なんかもしてたけど、今はそんな事よりその場その場面を楽しんだ方が自分には合っている、と思ったからだ。然し、それは一旦捨てよう。
サカモトデイズに篁さんというキャラクターがいる。端的に言えば座頭市だ。座頭市のアクションの特筆すべき点は居合。相手が気付く前に斬り伏せる。斬られた後に動くので、斬られた事すら気が付かせない最速の抜刀術こそが座頭市の魅力である。篁さんは数ある座頭市の中では、北野版座頭市が近いと思われる。それは篁を描いた読切を読んでから北野版座頭市を見てほしい。
最速の抜刀術である座頭市のアクションの理念がサカモトデイズの殺しの理念になっているのが面白い所だと思っている。透明な殺意に徹せよ。これは相手に動いた事すら覚らせない、座頭市の抜刀術に通じる。
「プロが“動いた”なんて、気取らせるかよ」
と、四ツ村さんも言っているが、サカモトデイズにおいて最強格ほど速い。例えば、南雲のアクションはほぼほぼ攻撃が終えた描写しかない。ドハデなアクションが売りのサカモトデイズにあって、その力量の基準は破壊力よりむしろ覚られないという抜刀術のそれである。
アクションだけみても篁さんを基準にしているが、もう少し深く考えると、篁さんという存在がサカモトデイズの価値観の中心にあると考えられる。
読切『骸区』において、殺傷事件は多いが住みやすい街だとモブキャラが語っている。悪人を殺せば住みやすくなる。これを実践していた篁さんに賛同して産まれたのが殺連ではないかと考えている。
安全より安心である。我々の生活にとって重要なものは、思い込みで成立している。暗殺合法化社会。それは悪人は必ず殺される、という安心を担保に成立しているだろう社会である。
故に、サカモトデイズにおいて篁さんとはただのキャラクターの一人ではない。天皇機関説というのがかつてあったが、サカモトデイズの世界における篁さんはそれである。篁さんとは、世界を成り立たせている機構の中心である。彼は最強にして錦の御旗でもあるのだ。
その篁さんは現在行方不明。これは、殺連の不穏な流れに関係していると思われる。主人公 VS ORDERの伏線でいずれ本格的に争う事態になりそうな気がしてならない。
その時は四ツ村さん大活躍な展開がありそうで今から期待している。
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