04.06|カプセルタワービル

 

カプセルタワービルの解体番組を眺めていたら、漠然と泣きそうになってしまった。別にそんな、強い思い入れがあるだとか、そういうわけでもないのに、妙に物悲しい感情になってしまった理由を自分なりに探るとすれば、たぶん、人間の葬式のときと同じような感情が沸いたからな気がする。


タワーが解体されてゆくなかで、「一部が保存される」と文言をみたときは、なんというか、火葬のあとの骨上げめいているような気がした。燃やすわけではないし、壺にいれるわけでもないのだけれど、タワーの形状と、その、タワーにくっついていた部屋たちの事柄がなんというか、人間の身体のように思えたからこうなったのかもしれない。


どうにか保存してくれとかそういうことをわたしは言いたいわけではなく、ただ、その映像をみて、漠然とそういう気持ちになってしまった、という日記だった。いろいろな思いがありつつも、朽ちるものは朽ちるし、残るものは残るのだと思う。そこに必然などはなく、あるとすればなにかを汲み取るという、自発的な行為による心理の保管、になるだろう。


そろそろお風呂掃除をせねばなので、今日はもはやこれまでです。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る