牛の子熊入り

「太郎、何やってるんだい!」

 夜の神社。

 唐突に、背後からかけられた声に、びくっとして振り向く。

「か、母さん」

「いくら妹が憎いからって、呪い殺そうとするなんて!」

「母さんには、俺の気持ちなんて分からないよ!」

 そう言って、俺は最後の五寸釘を藁人形に打ち込んだ。

 こうして、父さんは死んだ。

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