飽食警察

「ピーマンきらーい」

「もう、この子は。またワガママ言って……」

 母は悩む。

(いっそ、警察に突き出して、根性を叩き直してもらおうかしら)

 ついに母は決意し、警察に電話をかける。

「もしもし、うちの子が飽食で……」

 すぐに警察がやって来た。

「よし、飽食の現行犯で逮捕する!」

 そう言って、警察は母に手錠をかけた。

「違うんだ、違うんだ」

 子供が泣き叫びながら、連行される母にすがりつく。

「飽食なのはボクなんだ」

「奇遇だな、私もだよ」

 警察と子供は、そう言葉を交わすとニヤリと笑みを浮かべ合った。

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