第2話

 大学について早々友達と推しについての情報交換をするために集まった。推しの最新MV更新が今晩なので私たちはその話で盛り上がった。話も終わりかけた頃、友達がふとこう言った。

「この動画見た?うちらと同じグループのオタクの子のやつ。」

私は知らなかった。興味が湧いたので見せてもらうと、過激な言葉と過激な内容で教えの愛を語り、同担拒否の意思表示をしているものだった。そして友達は動画が終わるや否やこう付け加えた。

「こいつやばくない⁉︎気持ち悪いわ。」

私も友達の意見には同意だったので。『それな』と言った。それを言った瞬間教授がクラスにやってきて授業が始まった。授業中はさっきの動画のことなど忘れて今日上がる新しいMVの事や推しのことを考えつつ先生の言葉に耳を少しだけ傾け最低限のノートをとった。今日はいつにもまして上の空だということがノートの文字の少なさから見て取れた。今日の夜が楽しみすぎて時間が経つのが少し遅いようにも感じれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る