選択2
「あなたはどちらを選びますか?」 白衣の男は、私に二つのカプセルを差し出した。一つは赤く、もう一つは青い。 「赤いカプセルを飲めば、あなたはこの世界から解放されます。あなたが今まで見てきたもの、感じてきたもの、すべてが幻だったことを知るでしょう。そして、真実の世界へと導かれます」 「青いカプセルを飲めば、あなたはこのまま眠りにつきます。そして、目覚めたときには何も覚えていないでしょう。あなたが今まで生きてきた世界に戻ります」
私は迷った。私はこの世界が好きだった。家族や友人や恋人と過ごした日々。楽しくて幸せだった日々。それらがすべて偽りだったとしたら、私はどうするだろう?真実の世界とは何だろう?そこに行けば本当に自由になれるのだろうか?
でも、このまま忘れることもできるだろうか?白衣の男が言っていることが本当だとしたら、私は今まで嘘をつかれ続けてきたことになる。それを知っていながら眠り続けることができるのだろうか?
「時間はありませんよ」 白衣の男は催促した。 「どちらかを選んでください」
私は深呼吸した。そして、手を伸ばした。
《終》
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