付けていたテレビで好きな俳優のCMが流れた。

『一緒に夜桜を見よう。白ラベルと黒ラベル。今日はどちらにする？』ビールの発売を予告するものだが……。

『ねぇ、それとも僕のを飲みたい？』なんて蠱惑的な指が伸びて……。

「妄想しました」

「キモ」

CM じゃなくて本物で実行しろよと拗ねられた。

【補足】

　恋人が好きな俳優のやつです！

【おまけ】

「あのさ、君ね。さすがに恋人なんだからさ。妄想するよりもっと肉感的な現物が隣にいるだろう？」

「いや、それはそれとして、君のファンとしては黒白ラベル30本飲んで当たる君のアクキーが欲しくて……」

「現物ここにいるのに？？その無機物を愛すと？？」

「いや、それはそれとして欲しいです！」

「しかもさ、君のお酒が飲める許容量は自覚してる？」

「下戸オブ下戸です！！」

「なのにこんなにも箱で買ったの？どうやって処理するんだい！？」

「一本どうぞ」

「あ、ども。じゃなくて、何で自分のアクキー当てるために自分でお酒飲まなきゃいけないのさ！」

「美味しい？」

「美味しいけどさ！」

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