4/3(月)「バスタオル」
「こら、待ちなさい。ちゃんと乾かさないと風邪引くぞ!」
「やー!びゅーん、ぶらぶら~」
「あっ待て、襲撃はいけないっっ!!」
バスタオルを広げて俺の弟を拭こうとして、逆に突撃されて腰に巻いた物を強奪されているのを見ると、笑いが止まらない。
スパダリも形無しだな、おい。
俺の恋人さん?
【こんなのも考えてみました。】
今日も完璧。俺超可愛い。
普段薄口醤油のような没個性的な青年。だが、一回変身メイクなるものに手を出した結果、超絶可愛い美人にリメイクできてしまった。早くに両親を亡くし、小さい弟を兄の手ひとつで養うにはとかく金が必要だ。早朝はコンビニ、昼から宅配、夜は弟を寝かせてから女装バーでとにかくがむしゃらに働いた。
作った顔はとても人気で、ホテルでならもっと稼げるよと何度も誘われるが、(これは水濡れ厳禁なんだよ)……と内心思いながら軽くあしらう。中には可愛い男の娘に踏まれたいと言うアブノーマルな性癖の方もいたので、臨時収入は専らそういったもので稼いでいた。
可愛い俺は嘘偽り。いつも目の下の隈を黒くしながら本当の自分を見失う中、癒しと言えば、馬鹿可愛い弟の成長と毎朝コンビニで超絶美形なサラリーマンがタバコを一箱買うのの手渡しするなんて些細なこと。
自分が男しか愛せないのは薄々感じていたが、こんな薄口醤油なんて誰も惚れないよな、なんて。
ある日女装バーの店の帰りに、厄介な客に絡まれる。ホテルに連れ込まれようとしたときに、「こんな男に買われるぐらいなら、私が買おう」と金にものを言わせて男を退散させたのは、コンビニのタバコの君!
えっふぁ、あって言葉がでないうちに「君みたいな可憐な子が身をうらなければならないのは」
何か理由があるからだろう?一目惚れしたんだ。私に話してくれないか?」
なんて、心底心配そうに覗き込んでくる。
俺は、薄口醤油の男でしかも幼弟持ちだが!!?って混乱するも、いつも憧れていた超絶美形と話せるなんて……と混乱しまくりながらもどうする、どうする俺…!?なんて嘘から始まる関係
なお、彼はアメリカ帰りの整形外科医で、火傷跡や裂傷などの再生医療に相当詳しい為、「作った顔」の違和感を即効分かってしまう。
いつも気になるコンビニのバイトくんは、飾らないありのままの姿としてとても好ましく思っていたが、顔を塗りたくって客を取らなければならない自体とはいかほどに!?
と、慌てて取引を持ち出してしまう、超絶美形なのに超真面目な開業医。
彼は、薄口醤油のようなその素顔が好きなのですぐに青年の顔を濡らそうとするが、絶対にこの仮面を脱いでなるものかと水に濡れたくない青年は抗っている。
たまらず青年が「顔が濡れると力がでないの!!!!」と叫ぶと、
「何!?皮膚病の一種か!?症状はいつからだ!!?世界的に見てもあまり症例はないが論文を取り寄せてでもその解明を」
「あっあっまってーーまって『顔濡れ』『力でない』で検索しないで!!違うキャラクターが検索されるから!!!」
【こんな感じのも】
「これは、ガオルガイガー」
「ガオルガイガー」
「こっちは、ボンレンジャー」
「ボンレンジャー…」
「こっちはなんだと思う?」
「ガ…ニンキョウジャー…?」
「もーちがうよ!これはドスコイレンジャー!」
「難易度が高い…」
【ごっこ遊びに付き合う二人】
「イーーノック!!」
「わー、チョッカーをやっつけろ~!
「ィーー!」
「次はおにいちゃんね~」
「え、わ、私か!?イーノックゥ…」
「違うよ~おにいちゃんは、悪の総帥だよ~!雑魚戦闘員じゃないよ~」
「え、えぇと、ふは、ははは!この愚かなる人間よ!私が、えーと顔面整形してやろうか!」
「あそこに不審者が!?」
「顔面整形だなんてこわいわね」
(コソコソコソ)近所のおばちゃんズに不振がれる攻め
「んはっ!?」
「はっはは、ちょ、不審者で通報されそうになってるんだけどw」
「笑ってないで助けてくれないか!?」
「ひー、おい、ちび、死んだふりしてないで突撃だ」
「うん!」
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