4/1「寄り道」

帰りたくない。帰りたくない。帰ればもう僕は君と…。嫌だ、嫌だ。

「ね、寄り道してこ」

「……うん」

いつもの通り道、古びた神社でお祈りをする。どうか、どうか君とずっと……。

「一緒にいられますように」

「ね、如月くん」

「急に引っ越してお別れなんて」

「……あの、その今日4/1で」

「へ?」



 【おまけ】

 せっかくなので、前提をひっくり返してみようかな。


「こーんこんこん……」

『おやおや、どうするんだい?』

「あるじさま、まさか、如月くんが、あるじさまにお願いするなんて……」

『いやいや驚きましたよ。弥生の月だけで良い。いつも一人神社に遊びにくる寂しそうな童の共になりたいなんて願った狐紺にねぇ』

「お別れを、言うつもりだったのです」

「寄り道もその為に……」

『でも、童が私に願ってしまった。【別れを偽りに】【一緒に居たい】と。その瞬間、暦の理にて誠が嘘になりましたね』

「こん…」

『ふふ、お行きなさい。狐紺…いいえ紺藤と人の理で言えば良いかしら。人は刹那。神代では瞬きの瞬間なのです。共に生きなさい』

「はい神様」

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