水どろぼう アボカド編

 途上国F国の土地は、かんばつで干上がりきっている。

 観光にやってきた先進国のN国人はびっくりした。

「どうしてここは水がないんですか?」

「水どろぼうに持っていかれました」


 N国人は帰国後、レストランで友達にそのことを話した。

「……ていうことがあったんだけど、水どろぼうのせいなんだって」

「F国怖。治安悪すぎ。N国に生まれてよかったわー」

 二人でアボカドサラダを貪る。


 そのころF国のアボカド畑では、大量の水が撒かれていた。

 アボカドはスクスクと成長している。


 畑の前では、現地人によるデモが発生していた。

「水を分けろ!」

「アボカドに使うな!」

 農場主はにべもなく彼らを追い返す。

「ダメダメ。N国に輸出するんだから」

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