【超逸材】清楚路線を目指していた新人女性ダンジョン配信者さん、自身の溢れ出る戦闘能力が隠しきれず、踏破不可能と言われた難関ダンジョンを次々と攻略していってしまう

第31話:×××しないと進めない部屋

「ぜぇ……ぜぇ……」

「ご、ごめんなさい。ついいっぱい食べてもらいたくて作り過ぎちゃいました……」

　どうやらミユさん、私が渡した量は多過ぎたみたいで苦しそうにしてる。ううっ、私がミユさんと仲良くなりたいって気持ちが空回りしちゃうよ……。

「い、いや……ギリギリ大丈夫。あんただって私のためにしてくれたんでしょ？」

「は、はいそうです！」

「ならいいよ。誰かに優しくされたのは久しぶりだし。ありがと」

「ミユさん……！！！」

　な、なんていい人なんだろう！！！ 最初に出会った時は強気な人だなって思ったけど、本当はとっても優しい人なんだ！　この配信を見て、皆さんもミユさんの魅力に気づいてくれるかな？

———

「ホチノがミヒロに墜とされかけてる……」

「濃厚な百合展開はよ」

「生意気なメスガキってイメージだったけど、ホチノもしかして根は優しい？」

「社会がホチノを悪い方向に染めてたんやな……ほんまこの世は地獄やで」

「ミヒロの前では誰もが素直になるんだ」

「抱けぇ、抱けぇえええええええええ！！！」

「みっさん女いっぱいキープしてて草なんよwwwwww」

———

「あ、ミユさんのこといい感じに思ってくれてる人も増えてきましたよ！」

「うん、それはいいんだけどちょっとキモいコメントも何個かあるのは大丈夫なの？」

「キモいコメント？」

「え、そ、その……だ、抱けとか、濃厚な百合展開とか……」

「？？？　それって何かおかしいんですか？」

　私、たまにリスナーさんたちが言ってることがよくわからないことがあるんだけど、これもそうなんだよね。でも、私のリスナーさんたちはいい人ばっかりだからおかしいコメントなんかしないよ！

「え……（も、もしかして磯部ミヒロ、掲示板に書いてあった通り本当にあの2人とそういう関係性で……慣れてるってこと！？　そ、それじゃあいつか私もこの子のハーレムに入れさせられちゃうの！？）」

「あれ、ミユさん顔真っ赤ですけど大丈夫ですか？　もしかして体調が……」

「き、気にしないで、大丈夫だから！　あ、そこ見て磯部ミヒロ」

「あ、扉が出現してる！！！」

　確かこのダンジョンは他の人たちがどれぐらい進んでいるかで先に進めるかが決まるって言ってた。つまり、みんなも無事にダンジョン進んでるってことだよね……さすがたまこし学園！

「じゃあ早速入りましょう、ミユさん！」

「いや待って、何か罠があるかもしれな……あ、手を引っ張るなぁ！」

　ウキウキしながらミユさんと一緒に扉の中に入ってみると、そこには階段がある……わけじゃなくて、なんだか密室みたい。あれ、ここからじゃ先に進めないの？

「ミユさん、階段あります？」

「ない。これ絶対罠でしょ……あ、あそこになんか書いてる」

「ほんとだ！　えーっと……「×××しないと進めない部屋」？」

「……はあああああああああああああああああああああああああああああ！？」

———

「あ」

「あ」

「あ」

「あ」

「強制濃厚百合展開きたあああああああああああああああああ！！！」

「全裸待機」

「はよやれ」

「これにビビって配信切るやついる？　いねぇよなぁ！？」

「ホチノついにミヒロに陥落する模様」

「ホチノ顔真っ赤にしてて草」

「なおミヒロはキョトンとしてる模様wwwwwwwwww」

「ミヒロ、大人になるんや」

「この時のために生きてきました」

「えっど」

———

「うーん、何をしたらいいんですかね。三文字の中に入るもの……わかんないよぉ。ミユさんはわかります？」

「ヒェ！？　え、えっと……そ、その……あ、あんた……ほ、本当にわからないの？」

「？？？」

　ミユさんまた顔真っ赤にしてる。どうしたんだろう、やっぱり体調が良くないのかな？

「ミユさん大丈夫ですか？　やっぱり熱があるんじゃ……おでこ触りますね」

「ひゃっ！？　か、顔近い……（この子本当に顔がめちゃくちゃ良い……こ、こんな近くでみてたら本当にその気にさせられちゃう！）」

———

「ホチノ顔真っ赤wwwwwwww」

「そのままやれええええええええええええええええええ！」

「俺らは壁だ。ただみているだけの壁だ」

「ミヒロ垂らしで草」

「ミヒロ俺にもやってくれええええええええええええええ！」

「えー、垢BAN待った無しです」

「濃厚な百合展開きたああああああああああああああ！」

「えっど」

「ホチノがミヒロに見とれてるぞwwwwwwww」

———

「やっぱり顔熱いですよミユさん！　一旦横になって休みましょう！」

「きゃあああああああああああああああああ！？　や、やっぱりあなた意味わかってるんじゃないの！？」

「え？　なんのことですか？」

「わ、私に直接言わせるつもり！？　そ、そりゃ……濃厚な百合展開というか……抱くというか……アルファベット三文字のあれをするつもりなんじゃないの……」

「？？？」

　まずい、全然ミユさんの言ってることがわからない。アルファベット三文字？　私英語全くできないからわからないよ……。それに濃厚な百合展開っていうのも知らないし……うーん。

「よくわかりませんけどミユさんのことを抱けばいいんですね！」

「は、はわわわわわわわわわわわわわわわわわわわわ」

———

「ミヒロ絶対意味わかってないwwwwwwww」

「ホチノもう沸騰しそうなぐらい顔真っ赤やんwwwwwwww」

「抱けばいいんですねと屈託のない笑顔で言うミヒロさすが」

「ミヒロ、実は意味わかって言ってるんだよね」

「ミヒロハーレムにまた1人加わりましたwwwwwww」

「ホチノ、これが本当の清楚？　だ」

「濃厚な百合展開までもう少しだ」

「えっど」

「抱けぇ、抱けえええええええええええええええええええええ！」

———

「あ、あんたまさか本当に！？」

「ほらミユさん、ぎゅーっ！」

　こうやってハグしたらミユさんの体調も良くなるかな？　あ、ミユさんいい匂い……それにお顔もとっても可愛い♪ もっと抱きしめたくなっちゃう！

「えへへ、ハグしちゃいました。あ、階段が現れましたよ！」

「……ああ、そういえばhug（ハグ）も三文字だったわね」

———

「ちっ」

「これじゃあ足りない」

「ホチノ物足りなさそうな顔してて草」

「お前ら落ち着け。まだ諦める時間じゃない」

「ミヒロ女たらしだろwwwwwwwwww」

「続きしてもええんやで？」

「ミヒロちゃんをそんな目で見るなお前ら！！！」

「ミヒロは1人じゃ物足りないもんな！！！」

「ホチノ、お前から言ってもええんやで」

———

「うるさいコメント欄のクソニート弱者男性ども！！！　ほら、いくよ」

「はい♪」

　ミユさん元気になったみたいでよかった！　また今度、ミユさんが元気ない時にはハグしてあげよーっと！