【超逸材】清楚路線を目指していた新人女性ダンジョン配信者さん、自身の溢れ出る戦闘能力が隠しきれず、踏破不可能と言われた難関ダンジョンを次々と攻略していってしまう
第21話:最後はたまこし学園らしい結末♪
第21話:最後はたまこし学園らしい結末♪
「さて、無事【天翔る楼閣】を踏破したことですし……お空の上で朝食配信しまーす!!!」
ダンジョンを踏破したという達成感に、目の前に広がる絶景。この二つのスパイスを加えた朝食配信なんて最高に決まってる!
「それはいいんだけどさミヒロちゃん。食材ってあるの? 道具しか持ってきてないって言ってたけど」
「…………あ」
そ、そうだった! わ、私カバンの中にフライパンとかしか持ってきてないんだった……途中でお肉食べた時にちゃんとそのことに気づいていたら美味しそうなモンスター狩ってきたのに……ううっ、失敗しちゃったぁ。
「わ、私下の階に降りてモンスター狩ってきます!」
「ま、待て待てミヒロちゃん! ほら、一応私が食べきれなかった分の肉がここにあるから、これをみんなで食べよ。一応持ってきておいてよかったよ」
「か、カズサさん……!!!」
なんて頼りになるんだろうカズサさんは! よかった、これで一応企画倒れにはならずに済んだ……よーし、お肉しかないけどそれっぽい朝食を作ってみるぞ!
「ありがとうございます! そしたら今回はフライパンを使いたいのでどこか火を……あ、この神社よく燃えそうですね♪」
「ミヒロちゃん!? そ、それは罰当たりだからやめようね!」
———
「やっぱイかれてるはこいつwwwwwwwww」
「いやー、アフターでも見せてくれるねぇ」
「ミヒロが神だから問題ないよ!」
「てか普通にライターでさっきみたいに食べればいいんじゃね」
「くそ、いますぐ美味しいご飯食べさせてやりてぇ」
「やっぱ下の階降りて狩りに行こうぜ!」
「牛魔王の生肉は絶品だよ」
———
「生肉は絶品……そうなんですね! みなさん、せっかくなら生肉で食べてみませんか?」
「生肉……え、大丈夫? 絶対お腹壊しそうだけど。カズサが持ってきてから結構時間も経ってるし……なぁカズサ?」
「うわ、すごい美味しいこれ!」
「か、カズサさん!? な、なんで問答無用で食べてるんだよお前は!」
「だ、だってリスナーが……」
「お、お前またリスナーにそそのかされたのか……。で、お腹は大丈夫そうなの?」
「うん、全然平気」
「ふーん…………ミヒロちゃんはもう食べ……てるね」
「田中さん、これすっごく美味しいですよ! 焼いた時よりも数倍美味しいです!」
(注:普通の人はちゃんとしたお店で以外生肉を食べてはいけません)
「まじか。それを聞いちゃあもう食べないわけにはいかないよなぁ。どれどれ……あ、くそうめえ」
———
「EXダンジョン踏破したからこそみれる絶景と可愛い女たちと美味しそうな生肉。たまらん」
「俺もこの中に混じりたいのでEXダンジョンクリアできるまで頑張ります」
「てか生肉ってすぐお腹痛くなるものでもないような……」
「俺には見える、こいつらの結末が!」
「絶対この後も見せ場あるぞ」
「しっかし豪快に肉を食べるなミヒロ……」
「良い子は生肉を食べちゃダメだぞ♪」
———
「ふう、もうお腹いっぱい。そろそろ帰還する準備でもする………………」
「どうしたカズサ………………あ」
「…………も、もしかしてお二人とも、お腹……」
「…………き、きちゃったねぇこれ」
———
「腹くだしてて草」
「ああ、言わんこっちゃない……」
「えー、まさかのピンチです」
「ボスには苦戦しないのにまさかこんなところで……」
「まさかの伏兵、腹痛」
「ミヒロも一応人間だったんやな……」
「そうか、ミヒロを倒すときには食べ物で攻めるのがいいんだな!」
「配信切ればええのでは?」
「バカ黙ってろ!」
———
食べてる時は全然平気だったのに、急激な腹痛が私の身体を襲う。どうやらお二人も同じようで、みんなお腹を押さえながら顔色を悪くしている。
あ、これ……やっちゃったな。
「トイレは……あるわけないよね。あ、そうだ! 念のために緊急脱出装置持ってきたんだった! ちゃんと借金して買ったから今度は問題ないはず」
「おお、たまには役にたつじゃないか田中! そ、それをすぐ使おう!」
「もちのろんさ! ミヒロちゃん、カズサ、こっちに近づいて!」
「はい!」
うう、もうちょっと長くいたかったのに……私のバカバカ! あ、そうだ。せっかく踏破した記念にこの宝玉はカバンの中に入れておこう。
あとでみなさんにもよく見てもらえるように動画も撮りたいし……あ、は、早くしないと!
「よし、緊急脱出開始……ああああ! た、宝! 宝持ってこないと……あああ!」
「も、もう諦めろ田中! 今から取りにいってたら人としての尊厳を確実に失うぞ!」
「う、ううう……わ、私のブランドものが……わ、私のお金が……」
「ご、ごめんなさいみなさん……うううううう」
ラストを完璧に飾るつもりだったのに、まさかこんな結末になるだなんて。うう、勝って兜の緒を締めよ、そうおじいちゃんもよくいってたのに……油断しちゃったよぉ。
「……戻ってきた。よし、トイレ直行だああああああああああああ!」
「ぜ、絶対譲りませんからああああああああああああああ!」
「み、ミヒロちゃんは本気を出さないでええええええええええええ! あ、配信切らないと! じゃ、じゃあねみんな!」
こうして、前人未到のEXダンジョン踏破を成し遂げた配信は終わりを告げた。
彼女らの最後はあまりに滑稽で笑えるものであったものの、磯部ミヒロが天翔る楼閣をいとも簡単にクリアした。その事実は画面越しで間違いなく多くの人に伝わっており……。
———
【超朗報】自称清楚系配信者磯部ミヒロ、誰もクリアできなかったEXダンジョンを踏破してしまうwwwwwwwwwwwwwww
901:名無しさん
ミヒロすごい。カモライブの鳥田ポコラもミヒロに触れてるぞ!
902:名無しさん
なおプライドの高いいっさんは無視している模様
903:名無しさん
ミヒロ、最高だああああああああああああああああああああああああああああ!
———
そして、その勢いは掲示板だけでなく、ダンジョン界にも大きな衝撃を与えているようで……。
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