第22話 主人公視点

「ここは病室?」

いたるところに包帯が巻き付けられた少女が目を覚ました


「目を覚ましたか」

まさか、龍殺しの因子を土壇場で覚醒させたことには驚いた

それだけではないようだが、そんなことはどうでもよかった


「褒美は何にする?滅多に見られない面白いものを見せてもらったんだ。相応の礼はだそう」

実際、龍殺しの因子なんて持っているものはほとんど居ない。しかもあそこまで完璧な因子の覚醒は

ほとんどない。

深く椅子に掛け直すと橘の方を見た


「アリサの力を完璧にしてもらいたいです。気づいていると思いますが、アリサは精霊と契約しています。その精霊の力を回復させて欲しいです。

あと、初代様の話を聞かせてください」

元々決めていたかのように告げてゆく


蘭華の話かそれぐらいならいいか


「いいぞ、ただそれはお前が回復してからだ」

もう聞きたいことは聞けたので帰ろうとすると、

「あと黒龍からなぜ殺していなのに龍殺しの因子を持っているのかは先生に聞けと言われました。

教えてください」


ちっ、あの駄龍め。心で悪態をつきながら


「はぁ〜、回復したときに詳しく話すが蘭華は生きている。そのために龍殺しが必要だった。それだけだ。じゃあな、お大事に」


そう言って立ち上がりドアを開けて出ていき、エレベーターで1階に降りて車に乗り込んだ。

その中にはアリサを待たしていた


「体調はどうでしたか?帰ってきたってことは意識を取り戻したんですよね。父から事情は聞いてますけど先生からも聞きたいです」

めんどいのを相手しなければいけないと思うとため息が出た


「秘密だ。お前自身で気づけ、あと橘の頼みでお前の精霊の回復を早めてやることにしたからよろしく。じゃあな」

車から下ろしてダニエルに車を出させると後ろから

「私病室入れないので状態を教えてください」

そんな声が聞こえた


「ダニエル聞いていた通りだ。これからもよろしく頼むよ」

自分の側近は

「もちろんでございます。私こそよろしくお願いします」

相変わらず、自分に従っているのが不思議だなと思いつつ頷いた

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