戦いの幕開け

「本当にすみませんでした」


僕の家のリビングにて。

集まった【白夜】のみんなの前で、僕は土下座していた。


「いや、謝る必要なくない?」


「そうです……よね。というか、何に対する謝罪になるんです?」


ユイとナツの言葉がある。


何に対する謝罪かって?

それはもちろん。


「配信切り忘れた事、堂々とミオに告白したこと、それに対する炎上で現在迷惑を掛けていることです……」


「マジで落ち着けやシオン」


肩をポンポン叩くタケル。


「気にすることないんじゃないの?」


レオナのその言葉に、3人もうんうん頷いている。


「てか、やっとシオンにも彼女が出来たんだし、むしろ祝う必要あるよね?」


「「「それな」」」


ナツの言葉に、3人が口を揃える。


たしかに、ナツとユイ、タケルとレオナは付き合っている。


それはよく分かってるし、何となく疎外感みたいなものがあった。


4人とも顔が整っていて、見た目だけでも寄ってくる男女は多いのに、高校生最強探索者ということもあって、常に周りには男女で溢れていた。


それは僕には無い。


すごいよね。


対して僕は友達は多くないし、ミオが初めての彼女だ。


あれっ、リーダーの疎外感って結構悲しくないか?


「正直炎上とか、俺たちにとっては日常茶飯事だぜ。誹謗中傷とかシオンに言ってないだけで、めちゃくちゃ来てるしな」


「そうなの!?」


「おう、めんどくさいから内容は省くけど、マジで多いぞ。特に今はシオンと歌姫のことで、更に多く来てるな」


「申し訳ございません!!!」


「シオンが萎縮するからやめなさい!」


「いて!頭を叩くな!」


「でも実際は?」


「痛気持ちいい……ってなるか!!」


「ってことで、昨日のことは全く気にしないで良いよ。むしろさっきも言った通り、シオンの初彼女ってことを祝う必要があるよ。マジでおめでとう!」


イェーイ!


と、いつの間にか持ってたクラッカーをパーンッ!


いつも思うけど、どっから取り出してるんだろう……。


「でも、誹謗中傷と戦うって、ミオに宣言した手前、みんなに頼るのは嫌だよ」


「いいえ。これは私たちの戦いでもあります!私たちはパーティーですよ。そういう時に1人になるのはいけません!」


「そうよ。私たちにも誹謗中傷とかは来てるってことは、私たちにも喧嘩を売ってるの。徹底的に戦うしかないわね」


「みんな…ありがとう」


「まずはお父様に相談してみましょう。ミオさんもご一緒して、弁護士さんを探してもらいましょう」


そうだった。

ユイの父親は有名な企業の社長だ。


弁護士の知り合いもいると思う。


そしてユイを溺愛しているが、しっかり自分の意思を伝えないと、行動してくれない人だ。


善は急げ。


早速行動に移そう。

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