うそだとは
片思いはない、とある日祖母が言った
自分が好きな相手は
相手も間違いなく
自分のことが好きなのだと
そんなもんかなあ、とわたしは
首を傾げたけれども
祖母は頑としてそう言った
年賀状って届いたら返さなあかん?
まだ幼い頃 わたしは祖母にそう聞いた
返さなあかん
祖母はまたもや頑として言った
それはおはよう言われて
無視すんのとおんなじやからねと
ほんまかなと
うたがうことはあるけれども
わたしは祖母の白黒はっきり
つける性格が好きだった
そうしてそれらが
仮に嘘だったとしても
かまわなかった
わたしにとっては
祖母がそのように断言してくれることが
いちばんの救いだった
月日が経った今でさえも
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます