とりとめない


夜と夜のはざまに

母がよく歌っていた曲を思いだす


遠のいていく

刷り込まれるほど聞いたはずの

母の歌声も タクシーの車窓から眺める

風景も 祖母の笑顔も

たくさんの 憶い出も


帰りたいな


未来がつづく

このまま進むしかない

過去が遠のいてこわくなる


ぜんぶ消える

すべて消える


思い出さなければ

きっとなかったことになる


それでいい?


ほんとうに?


ここはいったいどこなんだ

わたしは毎日

いったい誰と話をしているんだ


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