久しぶり
「この子には
悲しいことを何も知らないで
大人になってほしい」
ともだちが
父親と手を繋いで
帰っていく
その後ろ姿を
今でもよく覚えている
いなくなった父親が
恋しかった
「でも、悲しいことを知らないと
人に優しくなれないのかなあ」
人目も憚らずに泣きそうになるから
我慢していた 小六の図画工作
わたしにあるのは
空っぽの家と 空腹と 孤独と
仲のいい家族を目の当たりにすると
思い出してしまう
自分には何もないこと
今日会った きみの言葉も
悲しかったね
君もきっと
悲しいことが
これまでたくさん
あったのだろうね
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