どこかにいる人へ


認めてやれなかった自分のこと

絶えず邪魔だてしたのはなんだろう

正しさか

生きやすさを求めるこころか

そのほかのすべてか


鏡にうつる自分の顔

鳥のさえずり

あの人の唇の角度

壁に反射する白い光


認めてやれなかった自分のこと


認めてやるべきだったたった一人の人間を

許してやれなかった


こんな愚かな人間でよければ

わたしのように

自分を許せなかった人に詩を書こう

あなたをゆるそう 何度でも

あなたを認めよう 何度でも

わたしが聞きたかった言葉を告げよう

あなたは何一つとして悪くはなかったと

自分の存在が間違いであると

信じて疑わない人々と

同じ問いを共有しよう

なぜわたしたちは

糾弾されなければならなかった?


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