ふと


 起き抜けにふと

 わたし何やってんねやろ

 と全て馬鹿馬鹿しく感じることがある

 馬鹿以外の何者でもない

 捨てる為に言葉を綴ること

 いちどじっくり考えてみよう

 これほど下らないことはない

 わたしの言葉は

 そりゃ自分にとっては価値があるだろうし

 書くという行い自体は

 自分にとって有益となるだろう

 けれどわざわざ公開する必要が?

 誰になんの得があって?


 と考える一方で

 抗いがたい何らかの力が

 わたしにこうさせるのだから

 わたしはその引力に従って

 全て身を任せるのも悪くはないじゃないかと

 正体の分からない引力を信じて

 敢えて目を閉ざしたまま

 馬鹿のままで生きてみようか

 正気に戻らないよう努力して

 信じた道を歩んでみようか

 とまあ暫定的に結論を下す


 そうして数日経って冒頭に戻り

 自分はあほなんじゃなかろうかと

 頭を悩ませる

 何度もこの流れを繰り返している


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