　この頃、情緒が不安定だ。

　原因は分かっている。

　ウサギの体調が芳しくないからだ。

　少年に対し反抗的な態度をとったかと思えば、隅でうずくまり小さく震える。

　餌を与えてもあまり口にせず、水分は口を濡らす程度にしかとらない。

　動かないせいで食欲が湧かず、寝てばかりいるせいで毛並みはぐちゃぐちゃだ。

　食が細るにつれ、健康そうだった体はみるみる痩せていく。

　体が痩せれば元気に動くこともできない。

　この頃、ウサギは隅の方でうずくまってばかりいる。

　ウサギが弱っていく姿を見るのは辛い。

　少年はインターネットで情報を検索してみるが、やはり原因は分からない。

　ウサギは寂しいと死ぬ、という都市伝説のような話があるが本当だろうか。

　ウサギにも鬱という概念があるのだろうか。

　もしそうだとしたら、この子は親と引き離されて寂しいのだろうか。

　だから少年のことを恨んでいるのだろうか。　

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