第52話 レベルアップ



セレナの水魔法レベルが上がった。

確か使えるようになるのは中級魔法のウォーターカッターだったはずだ。これで少しは戦い方が楽になってくるといいんだが...。

それにしても羨ましいな。

俺も魔法のレベルを上げたい。

今度から俺も魔法を打ってから剣に切り替えようかな。



「よかったね、セレナ」


「これからも頑張るよ!!」



両手で握り拳を作ってるセレナが可愛い...って思ってる場合じゃないな。



「うん。でも俺も魔法のレベル上げたいから、最初だけ魔法を使うようにするよ」


「シーマは何の魔法使うの?」


「本当は火魔法を強化したいんだけど、森で使うわけにいかないから土魔法にする」


「わかった」


「今日はまだ初日だから、後はゆっくり帰りながら魔物と戦っていこう」


「うん」



手っ取り早く強くなるには戦い続けるしかないのだが、無理して命を落としたら何にもならない。生きてこその強さなんだ。


しばらく歩いているとサーチに2体の反応があった。全然動きがないことから慎重に近づいてみると、ブラックバードが木に止まってるのが見えた。

定石通りに行くのであれば、剣が使えないのでセレナのウォーターカッターで首を斬りたいところだが、覚えたてほやほやだから精度が期待出来ない。俺の魔法で弱らせることが出来ればいいんだが...。



「ストーンバレット!」



1体には当たったが、もう1体には避けられた上にこっちに向かって飛んでくる。魔法をもう一度とも思ったが剣を抜いて迎撃する準備をしたところで、隣りから魔法が放たれた。



「ウォーターカッター!!」


「!」



セレナの魔法はいとも簡単にブラックバードの首を両断し、その先の木々もスパスパ切って行った。



「「...」」



俺もセレナも突然のことに呆然としてしまったが、ブラックバードがもう1体いることを思い出す。



「「...」」



もう1体は、俺の魔法が当たって落ちたところに、セレナの魔法で切った木の下敷きになっていた。

なんだかんだで結果的にセレナが2体共倒してしまった。



「♪」



セレナは新しい魔法が通用したこともあって少し浮かれ気分だが、俺としては若干沈んでいる。



何か俺、セレナに助けられてばかりじゃないか?


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