第50話 キャラ変
「んんー!」
プリンを口にした途端にセレナが反応を示した。目を細めて蕩けそうな顔も可愛いなー。気に入ってくれたのかな?
「冷たくて甘くて、口の中で溶けちゃった!」
「気に入ってもらえたかな?」
「うん!スゴく美味しいよ、シーマ」
「ありがとう、セレナ」
よかった。
セレナが喜んでくれて。
これで十分だ。
って思ってたら、シンシアさんのことを忘れてたわ。そっぽを向きながら、人差し指でテーブルを音を鳴らさないようにトントンしている。
「あなた達ね、仲がいいのは分かるけど見せつけなくてもいいのよ?」
「すみません。ついつい...」
「ついついって...、まぁいいわ。それ、私にもちょうだい」
いかんいかん。
ふたりの世界に入ってしまったことでシンシアさんを置き去りにしてしまってたよ。嫌味を言われたけど本気じゃないんだろう。
「こちらがシンシアさんの分になります」
「ありがとう。早速いただくわ♪」
申し訳なさが残りつつもプリンを1個差し出してみると、シンシアさんは嬉しそうにして、すぐさまプリンを口に運んだ。
「あぁーん!」
「「!!!」」
いや、待って待って!
シンシアさん、そんな声出したらダメだって!
18禁っぽい声が出ちゃってるよ!
俺も何か出ちゃいそうだし!
セレナは顔を赤くして俯いてるけど...。
とりあえずエリオさんがココに居なくて良かったよー。絶対怪しまれそうだもん。
「ふぅー」
「「...」」
ようやくシンシアさんがプリンを食べ終えたようだ。
名残惜しむように舌を唇に這わせているのが何とも艶かしい。
甘いスイーツ食べるとキャラが変わっちゃう性格なのかな...。
時間にすると僅かな時間だと思うけど、突然のことにドキドキしちゃってやたら長く感じたな。
今後、またシンシアさんからプリンを要求されたら、俺はどうすればいいのかな?
出さない訳にもいかないけど、その度にキャラ変されてもなー。
参ったな。
どうしよう...。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます