第10話 これから
ガンマおじさんとリーザおばさんが帰った後、セレナと2人でこれからの話をすることに。
「まずはセレナごめんな、冒険者のほうが中途半端になっちゃって。もっとランクとレベル上げたかったよな」
「それはそうだけど、こうなったからには今出来ることをやろうよ」
冒険者にはFからSまでのランクがあり、クエストなどでの冒険者ギルドへの貢献度によって上がっていくものだ。レベルについてはそれぞれの経験値によって上がるらしい。
シーマくんとセレナは成人してすぐに冒険者になったがランクはEで、新人を脱した初級の冒険者だ。一般の大人よりもちょっと強いくらいだ。
せめて1人前の冒険者と言われるCランク、そしてスキルのレベルをある程度上げたかったところだが、今それを言っても仕方ない。
落ち着いてきたら考えていけばいいんだ。
「そうだな。
俺は朝食以外は、お客さんの対応をしていくから、セレナにはそれ以外のことをお願いしようかな」
「例えば?」
「客室の掃除とか洗濯。あとはお風呂の準備かな。
生活魔法があるから問題ないと思うけど、何かわからないことがあったら聞いてくれれば」
「わかった」
「それと、最初は一緒に行くけど、そのうち慣れてきたらセレナ1人に食材の買い出しをお願いするかも」
「私1人でも大丈夫じゃない?」
「いやいやまだレベルも高くないし、何かあったら大変だしね。それに俺の顔は知られてても、セレナは全然でしょ」
「そっか。それもそうね」
「あとは、冒険者ギルドか…」
「あっ!」
「いろいろあってすっかり忘れてたけど、一応はスタンピード討伐に参加したからね。報酬を受け取らないと」
「それもそうね。だったらこれから行って早めに済ませちゃおうよ」
「ついでに商業ギルドにも顔出して、精龍亭のことを伝えておくか…」
まずは俺たちは商業ギルドに行って状況を伝えに行くことに。
新たに着任したばかりのギルド長とは折り合いが悪かったこともあって、父親のレギアスは副ギルド長と仲良くというか、世話してもらっていた。精龍亭の開業にも協力してくれたようだ。
そのせいもあってか初老の副ギルド長は俺の顔も覚えている。
「副ギルド長、お久しぶりです」
「おう、シーマか。その…大変だったな」
「スタンピードなので、しょうがない部分はあったのかと。この街のために戦ってくれたことに誇りを持ってます」
「随分と逞しくなったもんだ。今日はどうしたんだ?精龍亭のことか?」
「その通りです。僕が継ぐことにしたので今日はその挨拶にきました」
「そうか。あそこの立ち上げには俺も関わってるから、どうするのか気になってたんだ。
この街はお前達の世代が盛り上げてくれるのが一番いいと思ってる。だから、正直この話はすごく嬉しい」
「ありがとうございます」
「だがな、シーマ。無理はするなよ」
「はい。まずは出来ることから始めようと思ってます」
「そうか。それなら頼むぞ、この街を」
副ギルド長からの激励を受けて、気持ち新たに商業ギルドを出る。
慌てずにやれることをやればいいんだ。
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