事後報告をする私、電話する

家に帰ると、私は真っ先に松村くんへ電話をかけた。

今日の事を報告するためだ。



「聞いて!松村君の言うとおりに思い出の花持っていったら須月ちゃんと話できた!ありがとね松村君!」


「……」


通話はすぐ繋がったけど、松村くんからの返事は返ってこなかった。

おかしいなーと思ってスマホを見ると、松村君はミュートにしていた。えーなんでだろ!今電車だったりするのかな、七時ぐらいだし。迷惑になってしまったら申し訳ないから、電話を切ろうとした。




『ああ、すまん。ちょっと忙しくて』




切ろうと、ギリギリ指がスマホにつく前に声が聞こえた。



「良かった、電車の中じゃなかったんだね」


『違うよ。それで、須月と上手くいったんだって?』


「うん、仲直りしてね、親友に戻れたの!」


『そりゃ良かった。』



なんか、いつもより反応薄い気がする。

いや、気のせいか、いつもこんなのだね!



「で、須月ちゃん、田中に色々騙されてたらしい。藤田の時は委員長だったけど、須月ちゃんは田中に主にやられてるっぽい」


『そうか…やはりあの二人は協力してるな』


「やっぱ?!松村君もそー思うよね!二人とも一回話したいわ」


『ああ…その事についてはまた後日考えよう、』


「そうだね、じゃあ、ありがと!」



松村君がいつにも増して急かして話ているように感じる。忙しいっていってたからこの後用事あるのかな。なら早く切った方がいいと思い、自分も終わらすように話す。



「藤田とかに襲われないよー気をつけてね?」



冗談のつもりで軽く言う。

藤田はきっともうそんな事しないだろーけれど。



松村君からは「そうだな」とだけ返ってきて通話は終わった。



____




『藤田とかに襲われないよー気をつけてね?』






「__そうだな」





すでに、もう襲われているんだがな。




俺は、“委員長“を抑えるため、倒れた彼の上に座りながら蜂山ミチカとの通話を切った。




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