冤罪をかけられた隣の男子、強すぎ。
@txt-aoi
虐められていたらしい私、困惑。
「蜂山さん大丈夫?」
「聞いたよ、松村君にいじめられたんだってね」
「可哀想…ごめんなミチカ、今まで気づいてあげられへんくて」
「はい?」
朝、教室に入ってきた瞬間に親友とその友達の三人に囲まれてびっくりした。
いや私が誰に虐められてたって?松村君?話したことも無いんだけど。
私が三日間休んでいた間に何があった??
「ミチカ三日間休んでたのも松村のせいで学校来れなかったんよね?」
三人のうちの1人、親友が私に言う。
え、違うんだけど。
「恥ずかしいんだけど…大腸菌にかかってただけ」
「大腸菌?!!やっぱストレス溜まってたんやね」
「違うって」
親友が私の肩に手を置いてウインクする。
「誤魔化さないで良いんやで、うちら親友やん?」
正直ばーかと言いたくなる程イライラした。
話が全く通じない、家族にうつされただけだと言うのに全く信じてくれないのは何故?親友だったら信じて欲しかった…もう貴女は親友なんかじゃ有りません!
ところで松村君は隣の席に座ってる男子だけど、今の話どう聞いてんのかな。うわ、朝休憩中なのにずっと勉強してる、偉ー!
…周りのクラスメートは私たちの会話を聞きながら松村を睨み、私を守る様に立っている。恥ずかしいのでやめて頂きたい。
ー学校のチャイムがなった。松村君と話したかったのに授業がはじまってしまう。でも次、技術だしみんな作業中のがガヤガヤしている間に話を聞かせてもらおう!
予想通り、技術の作品を作ろうと教室がうるさくなったし松村君を見ている人がいない。
チャンス!と思って私はボソッと声を掛けた。
「ねえ、私の事虐めてたってマジ?」
…
私と松村君の間で沈黙が走る。
そらそうだよ、松村君側からすれば聞く質問が可笑しいわ。恥ずかしい。
松村君がは?って顔ポカンとしてるので訂正せねば、と思ったが
「…虐めてる訳ない」
窓の方を向いて彼はそう言った。
「だよねやっぱそうだよね、ほんと何?この噂」
「?君が流したんじゃ無いのか」
はい?!そんな訳ないでしょう。
…いや松村君がそう考えてしまうのも無理は無い、だって私が被害者ぶってる可能性もあるもんね。周りから同情して欲しいが為に隣の席の話したことも無い男子に冤罪かける女子だって居るもんね。流石に私はそんなクズみたいなことしないけど!
「違うよ!虐められたとか今聞いたばっかりだし」
「そう」
冷たいな〜これで信じてくれたら良いけど。
でも弁解した所で噂が消える訳じゃ無い、親友も私の話を聞いてくれない。…こうなったら松村君に冤罪かけた犯人探して真実をみんなに話すしか無い。
「一緒にさ、真犯人探さない?」
松村君が驚いた顔をする。
「!…良いよ。…ところで蜂山さんそのイス、気にならないの?」
「え?」
うわ!!何じゃこりゃ!!
下を見れば私のイスの後ろにブス消えろとか暴言等の、マッキーで書いたみたいなラクガキが沢山してあった。酷い!!これじゃ本当に現在進行形で私虐められてるじゃん。
真っ青な顔で松村君を見ると彼はバッと筆箱の中身を見せてきてこう言った。
「俺シャーペン以外持たないタイプ…、だから」
「っ、はは。疑ってなんか無いよ」
真面目な顔して言う彼が少し面白った。そっか松村君ってこんな感じの子だったんだ。
いつも教室の隅でスマホ見てる様な人だから、話し掛けたら怒ってきそうな人だと思ってたけど、全然違うじゃん。どうしてこんな人が冤罪をかけられたんだろうね、許せん!!
「てか俺今犯人4人までに絞れたんだけど」
「ええ?!!」
凄すぎ松村君!!!
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