第4話
さて、次の日になると、また事件が起こりました。今度は別の家で事件が起きたのです。いったい何があったのかと言いますと、なんと家の中で猫の死体が見つかったのです。それも一つや二つではなく、数え切れないほどの数が転がっていたそうです。いったい誰がこのようなひどい仕打ちをしたのでしょうか? 犯人の目星が全くつかないまま途方に暮れていると、そこに昨日の少年がやってきました。少年は言いました。
「僕じゃないよ」
その一言を聞いただけで、誰も信用しようとはしません。当然といえば当然のことですが、これでは話が前に進みませんので、ひとまず家の中を調べてみることにしました。すると、驚いたことに家中の壁や天井など至る所に爪痕が残っているではありませんか! さらに床には大きな穴が空いており、床下からは大量の猫の骨が出てきました。もはや疑う余地はありません。こいつは正真正銘の鬼だと確信しました。
そこで村人たち全員で取り押さえることにしました。しかし、ここでも予想外の出来事が起きました。何と少年は信じられないほどの力で暴れ始めたのです。手足を振り回して抵抗するものですから、とても手がつけられない状態です。それでもなんとか押さえつけようとするのですが、それでも振り解かれてしまいます。まるで巨大な岩を相手にしているかのようでした。
やがて体力を使い果たしてしまったのか、次第に動きが鈍くなっていきましたが、それでもまだ諦めてはいないようです。こうなったら最後の手段しかありません。みんなで力を合わせて押し倒すことにしました。
そうしてついに動きを封じることに成功したのですが、ここで思わぬ事態が発生してしまいました。なんと少年の体から煙が立ち上り始めたのです! 最初は何が起きているのか分かりませんでしたが、よく見ると体が少しずつ溶けていっているではありませんか!! このままでは大変なことになってしまうと思った村人たちは慌てて逃げようとしますが、どういうわけか上手く動けません。それどころか、だんだんと意識が遠のいていくような気がします。
このまま死んでしまうのだろうかと考えた時でした。突然目の前が真っ暗になったかと思うと、次の瞬間には意識を失っていました。気が付くと朝になっており、周りを見渡すと村人全員が倒れておりました。どうやら助かったみたいですが、一体何が起きたというのでしょうか?
疑問は残りましたが、ともかく命があることに感謝しつつ、村へと帰ることにしたのでした。めでたし、めでたし。
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