74-ドッキリ編

「僕くん」

「どうしたの?」

「私、できちゃったの……」

「え……まさか……」

「そうなの、実は」

「急いで連絡しなきゃ」

「ツンデレちゃん用の手作りバースデーケーキ、完成したの!」

「さすが万能幼馴染ちゃんだね」


~ ~ ~


「あたし、誕生日じゃないけど」

「出落ち感が酷い」

「いつか来るお誕生日に向けて練習してたらあまりに鮮やかな出来栄えのが仕上がったからこの感動を伝えたくて!」

「それにしても本当に凄まじい出来でござるなあ」

「でしょでしょ? ドヤふふ~ん♪」

「この砂糖細工なんてまるで生きてるみたいでござる――」

「にょ!」

「あ、それゴーレムだよ」

「食べ物の贈り物になんてもの混ぜてるのよ!?」


~ ~ ~


「にょ!」

「滅茶苦茶スムーズに動くわね」

「しかも働きものでござるな」

「お茶ありがとう」

「私お手製だから万能だよ! あ、でも!」

「君も一杯どうぞ」

「にょぉ……」

「砂糖の塊だから普通に溶けるよ」

「それを早く言いなさいよ! 冷凍庫、冷凍庫で冷やして!」


~ ~ ~


「にょ♪ にょ♪」

「一命を取り留めたわね」

「一命というかなんというかでござるが」

「そんなことより早くケーキ食べよぅ!」

「ゴーレムをそんなこと呼ばわりって……や、まあ確かにゴーレムってそういう用途なんでしょうけど……」

「にょ?」

「仕方ない、あたしが飼うわ」

「もう既にスライム飼ってるでござるよ??」


~ ~ ~


「ごりっ」

「きゃああああああ」

「幼馴染ちゃんの口の中が血まみれでござる」

「口の中で噛み癖が付くとこうなっちゃうよね?」

「拭く物持ってこようか?」

「あ、だいじょぶだいじょうぶ」

「にょ!」

「術者の血は活動リソースになるから」

「砂糖の塊に血を吸収させるって絵面、食事がまずくなりそうでござるな」

「砂糖齧ってる時にケーキの話しないでよ!」

「ツンデレちゃん、色々間違ってるよ」


~ ~ ~


「色々問題はあったけれど美味しかったわ」

「本番が楽しみでござるなあ」

「ええ、そうね。いつになるかはわからないけれど」

「そうでござるな。いつになるかはわからないでござるが」

「実は最後にサプライズ!」

「お? 僕も初耳」

「なんと! この中に一人!」

「何かしら?」

「さあ? でござる」

「この食べてから五分で死に至る毒の木の実が混じった箇所を食べた人がいます! 解毒薬は砂糖でできたゴーレム!」

「二人共真顔でゴーレム齧ったでござるなあ、世は儚い」

「なんであなたは平気そうにしてるのよ!?」

「アサシンだから毒に耐性があって」

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