第34話
最近、かなり気が抜けていたと思う。
ステータスを見ていないし、称号も手に入れていない。
誰かと契約をするようなことも無く、加護を手に入れる事も無い。
現在の俺のステータスは、正直理想的とは言えなかった。
◇◆◇
ノア・オドトン 八歳 男
HP:152/152
筋力:73×3.44
魔力:242×3.15+1200
敏捷:102×3.36
忍耐:288×1.95
知力:173×2.7
幸運:100
適性魔法属性:【無】
使用可能魔法:『サイコキネシス』『ボックス』『オートモード』『強化』『魔力鎧』『魔力鞭』『魔力弾』『魔力剣』『魔力斧』『魔力拳』『鑑定』
加護:【最高神の加護】【恋する女神の加護】【魔力の精霊の加護】【美の女神の加護】
称号:【幼児】【転生者】【受け身士】【魔法使い】【剣士】【護身術士】【斥侯見習い】【木こり見習い】【鑑定士見習い】【投擲術見習い】【棍棒使い見習い】【魔導師】【上級受け身士】【美の伝道者】
【商才】【商人】【小金持ち】【弓士見習い】【精霊使い】【ゴブリンキラー】【拳闘士】【斧術見習い】【テイマー見習い】【槍士見習い】【短剣術見習い】【無魔法使い】
◇◆◇
自分でも
しかし、まだ足りない。
手に入れれば手に入れる程にさらなる可能性を見出して、称号を欲してしまう。
例えば【ゴブリンキラー】。明らかに他の【キラー系】を仄めかしている。
【ゴブリンキラー】に関しては累計100匹を越えたあたりで手に入れたが、他の魔物もそうなのか。
それとも強さに応じて違うのか。
事前情報曰く、この世界の住人は称号についてかなり無頓着らしい。
そのため、称号についての取得方法が載った本などは存在せず、唯一見られる獲得条件も一部のみとなっている。
そして、【見習いシリーズ】もかなり大詰めとなってきたのは実感がある。
以前と比べるとさらに増えた【見習い】は見ていて感動すら覚えるが、その分どこが終点なのかが分からない恐怖がある。
それに、【特殊称号系】に関してはどのタイミングで手に入るのかが完全に謎だから、狙って入手とかまず無理。
そして、
そこで俺は考えた。
考えに考えた。
そして一つの結果に至った。
「『ホムンクルス』作ろ。」
こうして俺は【錬金術】という結論に至った。
◇◆◇
『ホムンクルス』の欠点は大きく二つ。
一つは製作時から年齢が成長しないこと。俺はト○オが成長しなくてもずっとそばにいられるから問題ないな。
二つ目は素材の入手が困難なこと。
だが、『ホムンクルス』というのはそれらの欠点を補って余りある利点が存在する。
それは、ステータスの【称号】の共有である。
つまるところ、『ホムンクルス』が鍛錬をすれば、その分【称号】を獲得できる速度が上がるし、眷属という判定になれば、『ホムンクルス』のステータスの1割を俺のステータスに上乗せできるからだ。
これを何故今までやらなかったかというと、明らかに邪道な方法だったからだ。
自分の力だけで強くなれれば、それに越したことは無い。
しかし、それだけでは時間が足りない。
日常生活との両立はできない。
だから、できればやりたくなかった『ホムンクルス』に手を出す事にした。
必要となる材料は魔物の『核』。1000を越える魔力。
そして10種を越える魔物の部位。
それらを組み合わせることで、系統を決めたホムンクルスができあがる。
例えば、【火】属性の魔物たちなら【火】属性魔法を使える『ホムンクルス』が作れるし、強靭な肉体を持つ魔物なら強靭な『ホムンクルス』ができる。
しかし、この数年で俺とハクが狩った魔物は、9割がゴブリンである。
正直、ゴブリンというのは素材としては最底辺。スライムとどっこいどっこいで、汎用性に極振りした雑魚素材だ。
が、数を多くすれば話は変わる。
ゴブリン達の『核』を1割ずつ。つまり10個ずつ分け、その一つを『ボックス』から出す。
そして、ゴブリン達の死体をこれまた10個ずつ取り出し、1ヶ所に固める。
そこへ、『核』へと注ぐように、魔力を流し込む。
この際、【無】属性が一番ちょうど良いと言われているが、普通なら他属性が混じった魔力しか放出できない人が多いので、
俺は生まれつきからの【無】属性魔法使いなので、全く問題無く純粋な魔力を注げる。
そのまま、外側から一定の圧力を掛けて。
ぎゅっぎゅっぎゅっ
血の赤と肌の緑が混ざり合った汚いあずき色が出来あがった。
パレットの右下辺りに溜まっている様な色。と言えば分かり易いか。
そんな球体がどうやって『ホムンクルス』になるかというと、時間経過が必要ならしい。
その間、およそ2時間。
短いのか長いのか分からない時間だが、ここは気長に待つとしよう。
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