(続き7)

すぐに教会の庭、草木が生い茂る地点まで移動した


私は適当に葉っぱが大きくて、茎が頑丈そうな草を掴み、ちぎった

陰に移動し、左手に持った草を光にあてながら杖を振った


すると目がくらむような凄まじい光線が私が持つ一本の杖から発せられた!!


「成功だ!」


私は達成感で杖を掲げた、さっき食らった光線の残像で何も見えないが…


振り返ってみるとそれを見届けていた青木さんも驚いていた、視点を正面に合わせたら残像で全く見えないが…




私はこれに一定の理論を導き出せそうな気がした


この杖はエネルギーの橋渡し役

自ら何かを生み出すことはできないが

この世に蔓延る様々なを仲介したり変換することができるんだ


私の仮説としてはそのような感じだ


熱エネルギーから電気エネルギーを生み出すためには

熱を水に与えて水蒸気にして、それでタービンを回して、回った運動エネルギーを電気エネルギーに変換している


流れとしては

熱→運動→電気の順でエネルギーを介している

つまり熱から直接電気エネルギーを生み出すことはできない


だがこの杖はその一連の流れを最適化してくれる

熱から直接電気に変えてくれるのだ


あいにく電気エネルギーに変換できるかどうかは実験道具が足りないので実験できないが


これは面白い、どうしてそうなっているのか《理屈》皆目見当もつかないが

どうしたらそうなるのか《理論》を構築することぐらいならこの原始的な実験方法でも予測することぐらいはできる


もっと続けるぞ、実験を

増やすぞ、情報を

導き出すぞ、理論を

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る