学園編
ヒロインがあらわれた!
朝食も済み、まったりとしているとメイドさんから、お客様がいらっしゃいましたと声を掛けられたので、私は慌てて自室から鞄を取り、玄関まで走って行って扉を開くと、制服に身を包んだ玲央様が立っていた。
「おはようございます、玲央様。お待たせしましたか……?」
「ううん、今来たところだから大丈夫だよ。それより……」
「?どうかされましたか?」
「その制服、すっごく似合ってるよ…髪型もかわいい」
「っ!ありがとう、ございます……」
玲央様に褒められ嬉しさと恥ずかしさで俯いてしまう。
行こうかと声を掛けてくれたので私は慌てて返事をして 玲央様の後を追いかけた。
「あ、あの玲央様?」
「どうしたの?」
「えっと、その……手、繋いだままなんですけど……?」
「だってこうしないと危ないでしょ?転んで怪我でもしたら大変だし、それに」
「それに……?」
「こうしてたら、いつでもあかりに触れられていられるでしょ?」
「~~~~~~~~っ!?」
そんなことを言われて、しかも笑顔で言うものだから 私の心臓が持たないです……!
それからは、手を繋いで登校したせいで周りからの視線が痛かったけど、玲央様が気にした様子もなくむしろ 堂々としていて、流石だと思わされた。
私がドキドキとしていると、後ろの方がざわざわと騒がしくなる、一体何なんだと思いながら後ろを振りむいた瞬間私の周りの時間が
少しだけ止まった。
そこには、ミルクティー色の少し長い髪をフワフワとさせながら、少し緊張したような顔をして歩く少女がいた。
その子は、周りから少し浮いているようなそんな雰囲気で…聞かなくてもこの子がこのゲームのヒロインだと、一目で分かった。
でも、私が驚いたのはそこじゃなくて…その、少女はあかりに…前世の彼女にそっくりだったのだ。
「あか…り…?」
そんな訳ない、分かって入るけれど私の口からは彼女の名前が出てしまう。
すると彼女はこちらに気がついたのか、私を見て目を見開いた。
それから、とても嬉しそうな表情を浮かべて小走りで駆け寄ってきて
思いっきり私に抱き着いてきた。
「百!やっと会えた!」
「…………へ?」
「百会いたかった~~!!」
なんでこの子は私の名前を?しかも会えた…?
分からない…怖い…そんな事を考えていると、私の隣にいた玲央様が
あかりにそっくりなこの子を引き剥がし、私を玲央様の方に抱き寄せてくれた。
「玲央様…ありがとうございます…」
「ううん、百が困ってるみたいだったから。それで君は?」
「あっ!ごめんなさい、私はあかり!瀬名あかりです!」
「えっ!?」
「百…?どうしたの?顔色悪いよ…?」
「ごめんなさい、少し驚いて…貴方、あかりって言うのね…そう…」
「なんでそんな態度なの!私百の恋人だよね?」
「え…なんでその事…」
やっぱりそうだ、間違いない、彼女はあかりだ。
でも、どうして彼女がここにいるの?ここは乙女ゲームの世界なのに……? もしかして、あかりも転生したっていうの……? それなら辻妻が合う……? だけど……
考えがまとまらない、頭の中がぐちゃぐちゃする……気持ち悪くなってきた……
「恋人って…?百、どういう事?」
「ごめんなさい、今はまだ。放課後私の家に来ていただけますか?その…瀬名様も…」
「瀬名って…分かった、じゃあ放課後ね」
「俺も大丈夫だけど…それより顔色ほんとに悪いよ?保健室行く?」
「いえ、とりあえず教室に行きましょう。あまりここにいたら変な噂が立ってしまいますし」
「分かったよ、でも無理はダメだからね?」
「はい、ありがとうございます」
このままでは大騒ぎになると判断した私は、この場は解散して教室に向かうことにした。
玲央様は心配してくれたけど、大丈夫と言って何とか納得してもらった。
一体何がどうなっているんだろう…これからどうなるんだろう……
不安でいっぱいのまま、私たちはそれぞれのクラスに向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます