音楽

音楽にひとを救えるものか

社会へと反旗を翻して 今そこで狼煙を上げている

音楽にひとを救えるものか

全能をひけらかして持たざる者を苦しめているくせに


無能

無能だ そうだ

音楽は無能である

本質的に音楽は無能であって 毒である


ひとは自らの匂いに酔っているらしい

自らの匂いを許すひとを愛するらしい

だからこそ

音楽はひとのものであって ひとを救う錯覚を


そう 錯覚を!

ひとに見せて ひとをひとでなくしてしまうひとなのだから

ああ 音楽はこんなにも

ひとに愛されているのだろう

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