ASMR専用イヤホン(※未完成原稿+アイデアの走り書き)
ASMRとは、聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地よい、脳がゾワゾワするといった感覚のことらしい。『自律感覚絶頂反応』という意味の英語の頭文字をとったとのことだが、全くピンと来ない。睡眠導入の補助、ストレス解消、性的興奮を目的として用いられるらしく、動画投稿サイトでは様々な動画が上がっているとのこと。私の中では、食べ物の咀嚼音や囁き声などを高性能なマイクでバイノーラル録音してつくられた音声作品、といったイメージだが、思い込みかもしれない。
私がASMRの界隈に詳しくないことには明確な理由があって、端的に、聴力が良くないのだ。難聴ではなく、耳が遠い、という程度だが、声の小さな人の発言を何度も聞き返して嫌な思いをさせてしまうこともよくある。耳が遠い人間によくある特徴として、自分の声は大きい。また、音楽はよく聴くが、繊細な音の違いなど何も気にならない。CDの音源をPCに取り込む際に音質がどれほど低下するかにも無頓着だし、百円均一で買った有線イヤホンを使うことだって厭わない。
ある夜、眠れなくなった際に、音楽でも聴こうと思ってYoutubeをそれらしいキーワードで検索していたら、リラックス用のヒーリングミュージック以外に、ASMR作品が引っかかってきて面食らった。女性配信者が耳かきやマッサージ、囁き声で疲れを癒してくれているという謳い文句になっており、睡眠導入よりもむしろ性的興奮の惹起を目的として聴くリスナーの方が多いのではないかと疑いたくなったが、興味本位で聴いてみることにした。
私が開いたものは、配信のアーカイブだったらしく、しばらく無音の待機画面みたいなものが続いたので、シークバーを適当に動かした。すると急に、右耳の中をガサガサと何かが動き回るような音が聞こえてきた。ぎょっとして、思わずイヤホンを外してしまった。あまりのリアリティに度肝を抜かれた。耳の中に本当に綿棒を挿入されたのかと思った。質感すらあったように感じたのだ。
初回の出会いは愉快な体験ではなかったが、もう一度試すに吝かでないという程度の興味は湧いた。
私は、妻が買って以来一度も使っていなかったワイヤレスイヤホンを充電することにした。
・ASMRの説明→聞き始める経緯(多少誇張があっても良い?)
→ワイヤレスイヤホンの説明
→充電方法の説明
→カナル型イヤホンで両耳をふさぐことへの抵抗感(外界との隔絶)
→右耳だけで聴くことに
→片耳では完全に楽しむことができない?
→充電ポートの接触が悪く、充電に失敗するエピソード
→右耳用の電池ゼロの間左耳用イヤホンを左耳につけることに
→何故か読経のような男の低い唸り声が聞こえる
→何かの演出かと疑ったが、何を再生しても聞こえる
→何も再生していなくても聞こえる
→左耳のイヤホンを外しても聞こえる
→右耳にイヤホンをするとおさまる
→右耳のイヤホンを外すと左耳から男の声が聞こえる
→終始右耳にイヤホンをする生活
→右耳のイヤホンで男の唸り声を探して聞くようになる
→何故そんなことをするか自分でも意味がわからない
→両耳にイヤホンをつけると頭の中で打ち消し合って全ての音が消えることに気付く
→その状態で充電が切れるまで過ごす
→恐る恐る両耳のイヤホンを外すと、ようやく男の声から解放された
→時折女が耳元でささやく声が聞こえてくる→ASMRは元々それ目当てだったから別に構わない
→女の声は妻に似ているが、何を伝えようとしているかは上手く聞き取れない
→イヤホンが無くてもASMRを楽しめてお得
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます