続・カフェ巡り(予告編2)

 本来は、近況ノートなど、本内容をより適切に発信する方法があると思われるのだが、私自身の病的な拘りのせいで、作品内で個別の章として執筆せざるを得なかった点は、素直に謝りたい。読む人によっては、本作品、ひいてはカクヨムという小説投稿サイト自体への冒涜と感じるのではないだろうか。


 結論から先に書いておく。

 2023年6月30日。私は(無事に)、都内某所でS・Tに直接会って話をする機会を得た。

 私の中で『カフェ巡り』の物語は、既に一つの完結を遂げていると言って差し支えない。


 私は、S・Tとの対話の前に、自身が『カフェ巡り』についてをカクヨムに投稿していることを知らせており、対話の内容をその続編として投稿するに当たって、S・Tから二つの条件を飲まされている。

 一つは、投稿前に原稿の内容をS・Tに見せてチェックを受けること。

 もう一つは、S・Tから提示された質問に対して嘘偽りなく回答し、その内容をインターネットで公開すること(方法は別に、カクヨム投稿に限らないとされた)。


 つまり、本章は、二つ目の条件をクリアするためだけに書かれた文章であり、フィクションの体を一切とっていないことをご了承いただきたい。しかも、S・Tが納得するまで、質問の追加に伴う公開後の更新が続くかもしれない。



Q1 事件自体にたどり着けないように細かい修正を入れながら、『カフェ巡り』を公開し続けていることに何の意味があるのか?

A1 これは、本当に、何の意味も意図もない。私は、心のざらつきを原動力に文章を書くタイプの人間であり、事件を受けて近年になく狼狽し、仕事に支障を来さないよう落ち着くために書いた作品を、「せっかくだから」くらいの考えでカクヨムに投稿しただけの話である(何が「せっかく」なのか、そのあたりの心の機微まで文章で説明しろと言われると難しいが、自身の書いた文章をこの期に及んで手元で死蔵させたくない、といったところだろうか)。この辺りの心の動きは、『令和の実話系怪談(短編集)』の中で折に触れて書いてきたつもりであり、何か深い意図を隠そうとしていたのでなく、正直に思いの丈を綴っていただけである。


Q2 『カフェ巡り』のことを公表するなら公表するで、何故、(SNSを一切やっていないなどの嘘までついて)誰も知らない名義を使い、目立たないようにしているのか?

A2 それこそが、今迫直弥を名乗っている時の私の矜持と、私なりのアンチテーゼだと思ってもらって構わない。正直、「何を言っているか」より「誰が言っているか」の方に注目が集まる世の中の在りかたを、私は心から憎んでいる。おそらく私だけではないと思う。インフルエンサーと呼ばれて持て囃された経験を有する者は、あまりの息苦しさに、どこかのタイミングで全てを投げうちたいと考えたことがあるはずだ。有名税? ふざけるなよ、と。匿名に近い状態だからこそ言えることもある、ということである。なお、別名義の方で今迫直弥の話を扱うことは未来永劫ない。繋がりが広く認知されたら、本アカウントの更新は完全に止めるだろう。


Q3 アカウント名の今迫直弥というのは、結局誰なのか?

A3 2022年のアカウント開設以来、文章を作成しているのは正真正銘、私自身である(仕事の合間を縫って細々と執筆している)。ただし、2000年代初頭に今迫直弥を名乗って創作活動をしていたのは、厳密には私だけでない。今迫直弥とは、私を含む高校の同級生の仲間で作った合同のペンネームであって、私は今迫直弥の一員だった、という言い方が正確かもしれない。作品ごとに関与の度合いが違っていたため、文体が大きく異なっている場合もあるのは確かだ。当時、主導的な立場であった人間は既にこの世にない。他のメンバーに許可を得て、今は私が代表として単独でこの名前を使わせてもらっている。主導的な立場であった人間にも妻子があり、私も知らない仲でないので、『今迫直弥を名乗る人物のアカウントについて』は本当に趣味の悪い内容であったと、今になって反省している。


Q4 『カフェ巡り』で飲み会があったとされる令和四年十二月、Nとの間に本当は何があったのか? 

A4 天地神明に誓っても良いが、『カフェ巡り』で書いた以上のことは何も起こっていない。飲み会の後、ネットカフェのカップルシートで喋っただけだ(S・Tに対面した際にも言ったはずだが)。終電が近くなって解散した。Nがどこに帰っていったものか定かでないが、私自身は自宅に辿り着いている。深夜遅くになって、妻の機嫌をとるため最寄りのコンビニでハーゲンダッツを買ったことまで鮮明に覚えているし、何ならその時のレシートも探せば残っているだろう。S・Tの考えていることはわからないではない。私が実はあの日にNと過ちを犯してしまっており、それこそがあの事件の引き金になったのではないか、と疑っているのだろう。Nとそういう関係になったことは、一度もない。そして、であり、絶対に解決することのできない問題を突きつけられている。


Q5 『令和の実話系怪談(短編集)』の『カフェ巡り』以外の作品は何のために書いているのか?

A5 私自身の精神状態を保つのが一番の目的である。思いついた話、書きたくなった話を、できるだけ怖い話に近づけるよう加工し、その時々で公開している。よく出来たミステリーのように、伏線がばらまかれているようなことは一切ない。強いて言えば、私のプライベートの切り売りみたいなものなので、他に公開しているエッセイ(『だから僕は○○を辞めた』)と併せて、私が何者かを知る一助になるかもしれないが、知ったところでどうしようもない話ではある。ついでに書いておくと、『常軌』をはじめとして、作品の後ろに妙な空白を作っているケースがあるが、あれも本当に深い意味はない。安っぽい不気味さの演出である。


(2023年7月14日17時追記)

Q6 まだ何か隠していることはないか?

A6 ある。この作品を通じて、明確に隠蔽しようとしている事実がある。ただ、それについては、『制作裏話』のような形でいずれ公開するかもしれないし、公開しないかもしれない。ひどくパーソナルなことでもあるので、むしろ知人にこそ知られたくないという思いがある。覚悟が決まるまで、あるいは開き直れるようになるまで少し時間が欲しいというのが本音である。

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