第6話母の涙に乾杯

今夜、いつも通り母の家に行き晩飯を食べに行った。

すると、母は震えながら涙を流していた。

理由は、父が生前残した借金の30万円を一括で返せ!と、親戚から言われたらしい。

その親戚も、元は優しい方で病院に入院するのに必要らしい。取り敢えず、4月に10万円返済することになった。

何だ、そんな事かと、僕は母にお金を少し渡す事にした。

すると、母は少し安心したらしく、一緒に焼酎を飲んだ。

世の中は、車のローン、自宅のローンなど皆借金している。

30万円で、震えてどうするの?どうにでもなるじゃないと、励ましたら母は小さなグラスで焼酎を2杯飲んだ。

僕は大きなジョッキで、4杯飲んだ。

家族は力を合わせて生きなくては。

今夜の焼酎は、何だか熱いものが込み上げた。

在宅介護を1人でして、働き僕らを食べさせてきた。

兄弟はみていない。僕らは学生からオムツ交換、入浴介助をしてきた。

しまかも、大学に入学したのに、学生ローンを親が生活費にしたため、中退した。

何とも、後味の悪い酒であった。

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