第3話 3月2日のお題「夢ひとさじ加減」/『夢ひとさじ、加減にご注意』

夢のような時間はほんのひとさじで構わないのに。

せめて……掬い上げたらこぼれ落ちるくらいの余韻があれば充分。

なのに、貴方は加減を知らない。

繰り返し繰り返し私を貪る。

若い頃ならいざ知らず、今は疲れやだるさが先に立つ。

……もう枯れてほしいくらい。


目を瞑って「相手は推し」の夢ひとさじ。



◆#monogatary 2023年3月2日のお題「夢ひとさじ加減」

#140字小説『夢ひとさじ、加減にご注意』

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