第31話 たこ焼き試食会
その日の夜。
部屋に戻って新しい商品の試食会を始める。
テーブルにプレートを取り出す。
楽しみなのか、みんなが笑顔である。ただ、ポンちゃん? 尻尾で僕の足を叩くのはやめて?
「では、作るよ? ――――たこ焼き!」
プレートの上に光が現れて、一瞬で姿を形作る。
何もなかったプレートの上に、前世で大好きだったホクホクのたこ焼きが八個、姿を見せた。
たこ焼きと言えば八つのイメージがあっただけに、個数は一度に八個作れるようだ。
「まずは普通の何も手を加えていないものだよ」
「「「いただきます~!」」」
『食べるニャ!』
ホクホクだけど火傷しないくらいの熱さに設定している。料理の熱さも調整できる【一秒クッキング】は本当に便利だ。
「生地がふわふわして美味しいです~」
「中に入っているお肉も旨味を引き出して美味しいよ!」
「一口サイズなのも食べやすくて、おやつ感覚で食べれるのがとてもいいですね」
『ノア! もっと食べたいニャ!』
どうやらみんなにも受けが良いようだ。
「では次から味変するよ~最初は――――
これは【無限調味料】で青海苔を追加したバージョンだ。
「普通のと違う風味がして、口の中に凄く広がる!」
「うん。青海苔は海の調味料だから中々味わえないと思う。普段は青海苔有り無しを選んでもらうことになると思う」
みんな頷いだ。
「次は――――マヨネーズたっぷりたこ焼き!」
「ん! ん!」
みんなもぐもぐしながら立ち上がった。衝撃的な旨さだったらしい。
それからだし味たこ焼き、ぽん酢味たこ焼き、少し辛めのラー油味たこ焼きなど、色々試してどれも美味しいと評価を得た。
セレナのために大量のたこ焼きを作ってあげて、ミレイちゃんが新しいメニューを手書きで作っていく。これをミレイちゃんとライラさん、セレナとカウンター分で四枚作ってもらう。
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【たこ焼き専用メニュー】
・たこ焼き八個……銅貨三枚
・マヨネーズ追加……銅貨一枚
┗★おすすめ★味の深みが増します。
・ぽん酢追加……銅貨一枚
┗甘酸っぱさが増します。
・だし追加……銅貨一枚
┗香ばしさが増します。
・ラー油……銅貨一枚
┗甘辛みが増します。
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材料の【コムギ粉】と【卵】と【コーンラビットの肉】を少量使うので、一個の原材料は銅貨一枚だ。調味料追加は材料費はかからない。
「よし。これなら明日から出せそうだね。みんなよろしくね」
「は~い! みなさんもきっと喜びますよ~」
色々決まる中、山盛りになっているたこ焼きを一個ずつ飲み込むように食べているセレナに視線を移す。
「うん?」
僕の視線に気づいた彼女は、可愛く首をかしげる。
うう……うちの娘。食べているところ世界一可愛い!
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