運命書『他宗教の取り込み ギリシアの章』

俺はあのテレビショッピングで紹介された商品、ダイソン球の通貨単位がガチャポイントである点に目をつけた。


ガチャポイントという単位の通貨を発行しているのは世界中でもこのショッピングモールの造幣局だけ。


俺は造幣局のホムンクルス職員に9000億ガチャポイント分の紙幣を刷って俺にちょうだいとお願いした。



だが、断られてしまった。



自分たち造幣局ができるのは通貨を発行するだけ。本来なら貴方達に通貨をベーシックインカムとして渡すこともできない。


しかし王がまだ国造りセットの国営銀行、財務省などをガチャから手に入れていないため、造幣局がかなり無理して運営に対して、通貨の流通のために一部機能の代行をお願いして、許可されているのでベーシックインカム制度を導入している。


ここからさらに大量の通貨を発行し、それを一個人に与えることなんてできないらしい。





うーん、なら、俺個人に対してじゃなく、王として、国家予算としてもらうことはできないか?と聞くと、


国債を発行してそれを我々が発行した通貨を使い銀行が買うという手段により、国家予算を増やすという方法があるが、ガチャから銀行を手に入れていないため不可能とのこと。


つまり、八方塞がりというわけだ。



というか、俺の国家、山田ドラゴンガチャ王国の国家予算はどうなっているんだ?


ホムンクルスが言うには国家予算が欲しければ、税収がなくてはならない。

だがそもそも、この国には税収がないとのこと。



うーん、確かにその通りだ。この国?には税法なんてものはない。

法人税は無料、所得税、住民税も無料だ。



そんなわけで、俺は住民税として、ベーシックインカムの1割、1000ガチャポイントの納税を俺は全国民に対して命令した。


俺はその徴税を造幣局のホムンクルスに任せようとしたのだが、自分たちは造幣局の職員であり、徴税の権利はない。国税庁や徴税官などをガチャから入手してくださいと言われた。


なんというお役所仕事。


俺は造幣局の隣に、投票箱を設置して一千ポイント入れてくださいと書いた紙を貼り付けた。






今日のログインボーナスはシステム確定ガチャコイン。


システム。予想される中であたりは交流戦のような、なんらかの情報を得ることのできる新たなシステムの解放。

もし当たりが出れば、非常にこのゲームを有利に進めることのできるシステムが解放されるかもしれない。


ハズレとしては、ガチャエフェクトなど、なんの意味もない無駄な物。


俺は当たりが出ることを願ってガチャを回す。





ガタンッ





C『ブックメーカー』


ブックメーカー、ブックと本の英語があるが別に本は関係ない、出版社や本屋などではない。


賭け屋である。

賭ける対象は競馬などの定番から、スポーツの勝敗、選挙の結果など、さまざまな物が対象である。


また、書籍を編集する人という意味もある。





…特に何も起きない。システムを調べてもわからなかった。





では、無料ガチャ!




UC『スキル テセウスの船【残骸】』



テセウスの船とは一つの問題である。


昔、ギリシアにテセウスという若者がいた。彼はクレタ島の大迷宮よりミノタウロスを倒し、アテネに帰ってきた。


そんな彼の使った船を後世に残そうと、保全活動が行われた。しかし船は時代とともに朽ちていき、朽ちた木材は捨て、新たな木材へと入れ替えていった。

そしてすべての部品の交換が終えた時、人々は思った。

すべての部品が入れ替わったが、これはテセウスの乗った偉大な船と言えるのか。

本当の船は、あの朽ちた木材の山ではないかという話から、一つの問題が作られた。

全部の部品が入れ替えられたとき、その船が同じものと言えるのか。





何も実体化しないので自己強制習得型だ。


うーむ、スキル名はテセウスの船の残骸か。全く予想ができない。


それにしても、俺はギリシア神話と縁があるものだ。

ヘルメスのお地蔵様、ミダースの手。そして今度はテセウスの船か。


さて、スキル内容は何かな。




●テセウスの船の残骸はテセウスの船なのでしょうか。いえ、あれもテセウスの船です。

人間に置き換えるとどうなのでしょうか。

人間の体は絶えず細胞分裂が行われ、そして古い細胞は老廃物として排出され、少しずつですが確実に、すべての細胞は入れ替わります。


人間の老廃物である、垢、髪の毛、爪。それらはかつての貴方の一部です。そうこのスキルは認定します。


自分の体なら、自由に動かすことができます。爪や垢、髪の毛を自由に動かせるのです。浮かべ、猛スピードで動かすこともできます。垢人形を作るのもいいでしょう。消費魔力はありません。自分の体を動かすのに、魔力は使いませんからね。


つまりはそういうこと。このスキルは貴方の体から離れた、体の一部を動かすことができます。





…なんだこの解説文。

なんというか、口語体だ。俺に対してやたらフレンドリーに話しかけている。



これがブックメーカー?


まぁ、結構解説もわかりやすくなっているしいいか。


てか、髪の毛や垢を浮遊させるだけって、使い所がないスキルだ。

というか、髪の毛を浮かべさせる理屈、強引すぎるだろ。


あと、体の一部と話しているが、俺は今もこの体の一部である爪や髪の毛を動かすことなんてできないし、そもそも浮遊なんてできないぞ。


…あっ、俺浮遊のスキル持ってたわ。




本日の鑑定


●交流戦拒絶権


他のユーザーとの間で組まれる交流戦。

あらゆる種類の交流戦を一度だけ拒絶することができます。


いつでもどこでも、一度だけ。いつでもですよ?






山田氏が手に入れたプロパガンダというアイテムによって、彼のチャンネルの宣伝が既存の広告を上書きするという現象が起きています。この現象は、テレビや動画サイト、雑誌、看板、ポスターなど様々なメディアを通じて山田氏の広告が出現し、しばらくすると消えてしまうという現象です。

この現象が発生する原因や仕組み、解決方法を突き止めるために様々な調査を行っていますが、まだ完全に解明されていません。



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