愛に言い訳はいらない

龍神雲

第1話 私が愛する彼

 彼は微笑んだ『君が無事で良かった』と。口の端を引き、まなじりを下げ、私を抱き寄せるが、その体は日毎ひごとに傷が増すばかり。


(ねぇ、どうして何も言わないの?)


 『明日も無事でありますように』


 口付け一つに願いを載せ、彼の温もりが離れていく。

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