目標はイケメン吸血鬼〜転生ガチャでハズレを引いた結果コウモリになりました。しかもダンジョンっぽいので、進化して吸血鬼を目指します〜

小エビのサラダ

第1話 7って普通ラッキーでしょ

 (クソ、あのゴミガチャめ!)


 化け物が蔓延る暗闇の中で1人、声にならない声を上げた。

 

 クソガチャとは、死後の転生ガチャのことである。


 過労が祟って死亡した俺は、気づいたらあの世にいた。そして、来世の処遇を決める転生ガチャとかいうものを引くことになったのだ。


 俺と同じようにあの世にやって来た人はかなり多かった。それが原因か、特に説明も受けられぬままガチャを引かされていった。


 一応来世が決まるガチャということは分かっていたので、緊張感を持って慎重にガチャに挑もうとしたのだが……。


「ゴラァァァァァ! はよぉ引かんかい! 後ろ詰まっとんじゃぁ!」


 突如あわられた鬼のような怪物にハリセンで頭をしばかれ、早急にガチャを引かざるを得なくなってしまった。


 鬼の圧力がすごかったので、6つあったボタンのうち適当に右端を押すと『7』という数字が書かれた紙が排出された。


「え、やった! ラッキー7じゃん!」


 7という数字。それは10を最大とすればそこそこ上の方だし、ラッキーの象徴ということもあり俺は喜んだ。これで、来世はいいものになると確信したのだ。


 しかし、ガチャへの誘導を行なっていた天使のお姉さんに可哀想なものを見る目で見られ


「あ〜お兄さん残念。アンラッキー7出ちゃったかぁ〜。ま、人によっては楽しいのかもしれないし、来世も頑張ってね!」


 と声をかけられてしまう。


 アンラッキー7ってなに? 聞いたことないんだけど! 普通ラッキー7だろ!?


 残念。そう告げられて焦った俺は、お姉さんを問い詰めようとするが……。


「え、ちょ、それどういうーーー」


「いってらっしゃーい!」


 話を聞く間も無く出発を告げられ、意識が真っ暗になった。


 そして、次の瞬間。気づいたら暗闇にいた。唯一の光源は、目の前に表示されている青い透明な板のみ。


【ステータス】

名前 なし

種族 ブラッドバット

レベル 1/10

体力 G

魔力 G

攻撃力 G

防御力 G

素早さ G


スキル 噛みつき 吸血 超音波


「これは……ステータス? え? コウモリ!?」


 このステータス画面を見て、異世界にてコウモリに転生したことを悟った。


 そして数分間思考停止したのち、せっかくコウモリに転生したのならとバサバサ空を飛び回っているところをバケモノに発見されて逃げ帰る←イマココという感じだ。


 心臓のバクバクが止まらない。まじで飛べてよかった。コウモリではなくネズミなどに転生していたら、今頃バケモノの腹の中だっただろうな……。


 この先どうしよ。とりあえず、食べれそうなものでも探すかな。


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