30話 潜伏

「ほんで、こっからどうする」

「まさか下水道に車で侵入できる道があったとは」

「便利すぎるな」


「何者だ」


声の主に一同は驚いて振り返った。ぼろ布を纏った痩せじしの男が立っている。顔にフードのように布をかぶせて見えないようにしている。


「何しに来た」

「アルミニウム伯から王女様を取り戻しに」

「ほう……おもしろい」


男は被っていた布を取り去ると、機械化された義眼が姿を現した。

シャノンの目が輝く。


「な、なんだ」


シャノンは困惑する男の目の前まで顔を近づけてまじまじと義眼を眺めていた。


「こいつ……!!」

「何だ!」


どうしたことかと一同訝しんだ。


「すごくかっこいい」

「あーそうですか」


どうしたことかと困惑している男に対して、徒然は「気にしないでください。彼女のそういうへきです」と説明した。


「ととと、徒然さん……? 癖って……」

「さて、要件を訊きましょうか。ことと次第によっては」

「心配することはない。あるお方から諸君を助けるように言われてな」

「あるお方……?」


「いずれわかる」と男に下水道の不覚へ案内されていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る